2019-01-01から1年間の記事一覧

食パンに書かれた国語のテストと不撓のクーピー、利尻昆布に至らないLINEスタンプ

国語のテストを受ける夢を見た。 解答用紙は紙なのに、問題はしょくぱんに書かれていた。途中まで「○○××集に登場する短歌に出てくる楽器は」「喇叭」みたいな感じで、前日ギリギリまで勉強していた成果を順調に発揮できていたのに、お腹が空いてきたのでその…

映画を観るのが苦手だ

映画を観るのが苦手だ。 嫌いではないのだけれど、2時間、長ければ3時間マルッと時間が拘束されると思うとゲンナリしてしまう。たまに90分映画を見るけれども、いわゆる単館系の短い映画は「めちゃくちゃ面白いやつ」を探すのが難しくて結局殆ど見ない。面白…

読者の心をフラットラインまで帰してくれるー『たったひとつの冴えたやりかた』

たったひとつの冴えたやりかた 改訳版 作者:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2008/08/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) 読んだ。 名作と名高いSF*1で、タイトルだけなら知っている人も多いだろう。私もその口で、…

イカ

イカがアレルギーなんだよね。 確か27歳?くらいの時に初めてお腹が痛くなって、それから何回か同様の痛みがあって、統計的にイカが原因であるという結論に達したのだ。イカ…生でも焼いてても駄目で、食べて2時間くらいすると過労とストレスの合体胃痛みたい…

今、大義の話はしていない

チョコパイを食べていると、銀色の袋の裏に「みなさんから寄せられたチョコパイほっこりエピソード」が載っていた。 “ 部活の時、毎週月曜日に先生が今週も頑張ろう!って言いながらみんなにチョコパイを配ってくれるのが嬉しかったです。” 私は思った。先生…

ゲームの面白いとか面白くないとか

ゲームとか漫画とか消費するタイプの娯楽と、絵を描いたりケーキを焼いたりする創作するタイプの娯楽だと、後者の方が圧倒的にコストパフォーマンスが良いと思う。この場合のコストとは時間で、パフォーマンスは達成感なんだけど。そしてコストパフォーマン…

概念的な無機物が肉と魂を獲得した世界とは―『ゆえに月は白銀なり』

これは獣と魂の物語だ。 異形の新種生物が実は数千年前に異なる進化系を辿った人類だった...という話はよくある。まぁまぁネタバレになるので作品名は注釈で出すが、超能力獲得から大殺戮を経て遺伝子に攻撃抑制を刻み込まれた人類の話*1とか、必ず双子で生…

『白銀の墟 玄の月』後編(3、4巻) 感想

...読み終わった!? 白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/11/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカ…

十二国記『白銀の墟 玄の月』前編(1,2巻)考察メモ

十二国記の新刊読んだ!? 白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/10/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メ…

やさしナリンと英語長文読解、深遠の如き愛の化身としてのねこちゃん

前回、『不確実性憐憫』というタイトルで書いた雑記だが、あれは舞城王太郎先生が言うところの「やさしナリン」であるとの自己解決に至った。やさしナリンが何なのかは各位短編集を読まれたし。 キミトピア 作者: 舞城王太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日…

不確実性憐憫と絶対魔獣戦線、「世界の揺らぎ」という名の投石

「高くて硬い壁と、壁にぶつかって割れてしまう卵があるときには、私は常に卵の側に立つ」*1と村上春樹は言った。 常に一番弱い人間の側に立って考える事は優しさでは無い、と思う。こう考えたのは氏のこの言葉に由来するわけでは無いが、数多の事情や環境が…

魔法少女リリカルなのは一期見てる?見てるよね?

魔法少女リリカルなのは ポータルサイト 私がこの世で一番好きなアニメである『魔法少女リリカルなのは』が15周年を迎え、公式にYouTubeにて毎日1話ずつ公開される事となった。ありがとうございます。 一期は最近movie1stとしてフルリメイクされていたので、…

君を苦しめる架空の過去の鬱屈

ソラニンを聞いている。 youtu.be ソラニンを聞いていると懐かしい哀愁が押し寄せてくる。でも例えば緩い幸せがだらっと続いていて悪い芽が出てサヨナラ...なんて架空の未来がある分岐点は無かったし、ああの頃の僕らにはもう戻れない...なんて後悔できるほ…

火星人と握手、踏襲される人類史、そして完成した3頭のイルカ

何も書くことがない。何故なら日々特に何もインプットしていないからだ。為すべき事を為し、そして眠る。そういう生活だ。それでも何か書いて...というよりは誰かに「読んで欲しい」という気持ちがあって、ぼんやりとキーを叩いている。ただ、何もインプット…

祈りは可視光の光なりて

小さい頃、地球は丸くて人類はその地球に住んでいると初めて知った時、球体の内側に住んでいると思っていた。重力を知らないので、まさか平和のポスターの如く球体の側面に人が立てるわけがないと思っていた。ただ、そうすると世界(大陸と海)が丸いという…

パワーワードとしての芋煮会と夢の中の透明な泥、捨てられた現実味、お腹すきすきザウルス

寿司と芋煮会はパワーワードだ。 何でも寿司とつければ面白くなるし、芋煮会も同様に面白くなってしまう。メカニカル寿司屋、バーチャル芋煮会、過酸化寿司疏水、地下芋煮会....なんだって面白くなってしまう。その根底に「芋を煮るだけの会、フツーやるか?…

希望的観測のアイスクリームと銀河ではないスペース、琥珀と夏の残響

家の近くが更地になるとサーティーワンアイスクリームが出来るかもしれない、と思う。 サーティーワンアイスクリームが特別好きなのかどうかは別として、様々なフレーバーがあるアイスクリーム屋がすぐ近くにある、という可能性はとても魅力的だ。たぶん実際…

新しいセカイ系と音楽『言の葉の庭』

『言の葉の庭』を観た。 言の葉の庭 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 濡れる都市の天空、煙る豊かな緑、揺らぐ銀色の水面が美しい。静謐な庭園と無干渉な都市を背景に、主人公二人の呟くような台詞と独白によって物語が構成されていく。俯…

今世紀最高の映画『リリカルなのはDetonation』

今世紀も未だ80年ほど残しているが、早くも21世紀ベスト映画が決定した。 リリカルなのはDetonationである。 「魔法少女リリカルなのは Detonation」コミックマーケット93PV 「魔法少女リリカルなのは Detonation」本予告 余りにも素晴らしい作品だった為に…

タイトルから望む物が全て在る『機忍兵 零牙』

機忍兵零牙 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 月村了衛 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2010/09/22 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 28回 この商品を含むブログ (22件) を見る 凡そこの世に非ず、別の世界より来たる者を忍びと云う――数多の次元世界を制する謎…

君は有罪のタピオカを見たことがあるか

あっちもタピオカ、こっちもタピオカである。 いまや少し洒落たカフェであればタピオカ飲料を扱わぬ店は無く、ビルの空きテナントには次々とタピオカ飲料店が入る。世は大タピオカ時代(タピオカが大きい時代ではない)となった。しかしブーム時には必定の悲…

ポストアポカリプスに対する備えは出来ているか?―『ゾンビでわかる神経科学』

2019年7月、世界には未だゾンビ......腐肉を纏い覚束ない足取りで、しかし確かな飢えと怒りを口から滴らせながら生者を襲う者.......は未だ居ない。 ネットの海に放たれた情報がどれ程の未来まで漂い続けるのかは不明だが、もし君が今、ゾンビ・バンデミック…

高尚な感傷で凍傷

天を覆う明るい灰色の雲から零れる光で目が覚める。 このところは梅雨らしく雨と曇りの日が続いている。 昔、北陸に住んでいたことがあって、あの頃は晴れだとか雨だとかという予報が無意味だった。天気予報はすぐに見るのを辞めた。1年間に3本くらい傘を買…

League of Legendsを辞めた

表題の通りよ。 私生活が慌しくなり、1ゲーム数十分拘束されるチームゲームというのはプレイし辛くなった。だいぶ長いこと...5年も遊んでいたけど、辞めると決めたらアッサリしたもので、アンインストールしてしまえば当然もう遊ぶことはなかったし、想像以…

百花電葬

立法府によって生命の定義がなされた頃、私達は魂の定義について考えていた。 濡れた都市の路面には無秩序な光が揺らめいている。鈍色の壁には象形文字のような落書きがある。通りの奥を緑色の目をした黒猫が横切った。見上げた空は暗く、星は無い。かつて物…

副詞のバラードⅡ(おもむろに)

カモミールティーをガブガブ飲む君の目はダイヤモンド 爆燃 炭素 苛烈 今もたぶん怒ってる おもむろに取り出した僕のウクレレは 行き場を失って 嗚呼 どうにもならない 黒いタピオカを噛みちぎる君の目はダイヤモンド 爆燃 炭素 苛烈 多分まだ怒ってる おも…

5月のこと

5月が終わる。 時折吹く風に熱気が混じる。 濃くなった緑がそれぞれの昨夏を惹起させ、街に微かな倦怠をもたらしている。 いずれまた、長雨が一つの季節を遠く連れ去って行くことだろう。 読書 教養としての「税法」入門/木山泰嗣 言葉人形/ジェフェリー・…

お前の枕元にサンタクロースは来たか?来たけどプレゼントは置いていかなかっただけじゃないのか?

緊急車両が走ってきた時に、他の車がきちんと道を譲るのを見るのが好きだ。 あれは、美しく染み渡ったマナーとか慣習というもので、今まで譲らなかった車を見たことが無い。通勤時間の込み合った大通りでも、なんとか少しずつ道を空けようと何台もの車がぎこ…

4月のこと(下)

4月が終わる。 気付けば平成も終わるようだ。だからといって特に生活は大きく変わるわけではないし、どちらかと言えば1年ぶりに行くホテル・ランチビュッフェの方が楽しみだ。食欲が増大してきたので、ここぞとばかりにビュッフェに行くぞ。ご飯大盛り無料は…

4月のこと(上)

4月が始まった。 最近出来たばかりの大きな図書館へ行って上機嫌だ。システムも新しくて便利だし、本も綺麗で沢山あるし、本棚だって見やすいし、ウッヒョ〜〜最高!半日が簡単に溶ける。嬉しくなって山ほど本を借りてきた。小説も好きだけど、最近はノンフ…