2022-01-01から1年間の記事一覧

2022年ベスト(雑)

今年のベスト5です。これを、2022年12月31日22時50分に慌てて書いています。 ホリャッホリャッ ヨイオトシヲッ 本 チベット幻想奇譚/アンソロジー この夏のこともどうせ忘れる/深沢仁 チョコレートパン/長信太 プロジェクト・ヘイルメアリー 上・下/アンディ・ウィアー …

2022年秋と冬のこと

2022年後半はなんか読みかけて放置している本が多くて、載せられるものが少なかった。あれだあれ、ペルソナ5ロイヤルやってたからだわ。仕方ないね。 小説 むらさきのスカートの女/今村夏子 殺戮にいたる病/我孫子武丸 老人と海/ヘミングウェイ 第五の季…

アンダー・ザ・死

久々に水族館に行った。 大きな水槽で悠々と泳ぐシャチ、ウミガメ、でかい魚などを見て、やはり海は怖いなと思った。もはやイルカとかも怖いなと思った。 海が苦手である。 得体のしれない闇が数千万メートルも下に広がっているという事実、そしてそこに生命…

火事場に白檀

本文 校正による栗饅頭の変移 本文 茫洋とした夕暮れに惑いながら赤信号で車を止めた。西の空が、最近見ない歯磨き粉みたいな色をしていて、右手に持った栗饅頭にわずかに力が入る。虫歯のような気がしているが自律神経の乱れのような気もしている右奥歯の痛…

語り手が異常な小説が読みたい

「信頼できない語り手」という小説ジャンルがある。 信頼できない語り手(しんらいできないかたりて、英語: Unreliable narrator)は、小説や映画などで物語を進める手法の一つ(叙述トリックの一種)で、語り手(ナレーター、語り部)の信頼性を著しく低い…

綾波レイはポカポカするとか言わない

綾波レイが「心がポカポカする」と言った違和感について10年くらい*1考えてたんですけど、最近幼児を観察する機会があって、言葉にできない未知の感情を表象する時に擬音を使うのはむしろおかしいのではないかということに至りました。 説明します。 日常会…

オメガ城の惨劇-感想メモ

感想メモです。 オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case (講談社ノベルス) 作者:森博嗣 講談社 Amazon シリーズ外小説でした ・勝手にGシリーズ最終巻発売だと思っていた ・Gシリーズ最終巻ではなかった。そうだ、冷静に考えればXY…

2022年夏のこと

Twitterや読書会のメモの寄せ集めではある。 小説 レオノーラの卵/日高トモキチ まほり/高田大介 不村家奇譚/彩藤アザミ 蝶と帝国/南木義隆 化物園/恒川光太郎 5A73/詠坂雄二 この夏のこともどうせ忘れる/深沢仁 怪盗フラヌールの巡回/西尾維新 アニ…

vergangenheitsbewaltigung

小説を書きたい、と思っていた時期がある(今もかもしれない) ポエジーなフィクションを書くことそのものは好きで、景色や音楽に感化されて時々散文を書いたこともある。自分の目に映らない景色を文字で映し出して、そうして自分が好きな昔の自分の文章がい…

もしかして、地球が右周りで回っていることと関係あるんかなぁ?

新幹線で東京から名古屋へ向かおうとする夢を見た。 あいにくの雪で東海道線は止まっており、それでもなんとか今日中に名古屋に行きたいので、金沢を経由するルートにしようと思う。灰色の空に夜が忍び寄る。私は反対側のホームに滑り込んできた列車に乗る。…

石橋も石橋で叩いて残った方の石橋を渡る

たたききゅうりを作るときにきゅうりできゅうりを叩けば、何がどうなっても求めていた結果になるのではないか。手元のきゅうりか俎上のきゅうり、どちらかは破壊されているだろうし、今ここにあるのは破壊されるべきものだけだ。どんな道筋を通ろうとも結末…

ファイト・クラブ、或いは私が訪れない愚かな地獄

TwitterのTLにときどきファイト・クラブを読む蟹の画像が流れてくる(なんで?)ので、ようやくパラニュークの『ファイト・クラブ』を読んだ。 ファイト・クラブ規則第一条 ファイト・クラブについて口にしてはならない ファイト・クラブ規則第二条 ファイト・…

共通思考とは何なのか?

「作られた目的はなんですか?」 「ハギリ博士にお答えしました。人類の共通思考の構築です。(中略)」 「共通思考とは、どんなものですか?」 「人類の理智の多くが参加することで形成される思考形態のことです。そのためにネットワークを構築してきました…

2022年上半期ベスト+α(小説編)

体調と怠惰が理由で1年ほど消失していた摂取(月)記録をなんかもうオミュッとしてムイッとしてこうなりました。 小説…Best5 チベット幻想奇譚/アンソロジー 沈みかけの船より愛を込めて/アンソロジー プロジェクト・ヘイルメアリー 上・下/アンディ・ウィ…

貨幣経済アレルギーとゼンゼンゼンジャナイ

3年かかってやっと積立NISAを登録した。 この3年の内訳は、重い腰を上げるのに2年11ヶ月、調べてやる気を出すのに3週間、諸手続きに1週間である。まぁ概ねメンドクセェとの戦いであった。 かの戦いではこの本にお世話になった。マジで基本情報しか載っていな…

ここ数年で買って良かったもの

こういうのやったことなかったけど「Twitterでフォローしていたり、ブログを購読している人のこういう記事」はかなり好きだ。じゃあ自分もやりなさいよ。ハイ…。 オススメ記事とかランキングではなく、「こういうものが好き」みたいなのが見えるくらいの他人…

ブンガク、ブンガクね

『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』を読んだ。日本文学における良質な短編をテーマ毎にいくつか編み英訳して出版されたものの、原著(というか日本語の)編み直し版である。 ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29 新潮社 Amazon 【目次】 ・序…

スリーフレーズ、フリーフレーム

今まで読んできた本の中でもずっと忘れられないフレーズというのが3つある。思考の空隙に泡のように浮き上がってきて、そしていつもその言葉の意味を考え続けてきた。 「混沌とした話をしているね。もっと抽象的に言いなさい」 「ようするに、つながっている…

ダメダメのちょむちょむになっていた

2021年の後半はフィジカルがダメダメになっており、殆ど何も出来なかった。殆どには日常生活も含まれていて、本を読んだりアニメを見たりはおろか、何なら食事もろくに出来ず仕事すら出来て無かった。元は完全にフィジカルだけのダメージだったのだが、疲労…