読書

2022年秋と冬のこと

2022年後半はなんか読みかけて放置している本が多くて、載せられるものが少なかった。あれだあれ、ペルソナ5ロイヤルやってたからだわ。仕方ないね。 小説 むらさきのスカートの女/今村夏子 殺戮にいたる病/我孫子武丸 老人と海/ヘミングウェイ 第五の季…

語り手が異常な小説が読みたい

「信頼できない語り手」という小説ジャンルがある。 信頼できない語り手(しんらいできないかたりて、英語: Unreliable narrator)は、小説や映画などで物語を進める手法の一つ(叙述トリックの一種)で、語り手(ナレーター、語り部)の信頼性を著しく低い…

オメガ城の惨劇-感想メモ

感想メモです。 オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case (講談社ノベルス) 作者:森博嗣 講談社 Amazon シリーズ外小説でした ・勝手にGシリーズ最終巻発売だと思っていた ・Gシリーズ最終巻ではなかった。そうだ、冷静に考えればXY…

ファイト・クラブ、或いは私が訪れない愚かな地獄

TwitterのTLにときどきファイト・クラブを読む蟹の画像が流れてくる(なんで?)ので、ようやくパラニュークの『ファイト・クラブ』を読んだ。 ファイト・クラブ規則第一条 ファイト・クラブについて口にしてはならない ファイト・クラブ規則第二条 ファイト・…

共通思考とは何なのか?

「作られた目的はなんですか?」 「ハギリ博士にお答えしました。人類の共通思考の構築です。(中略)」 「共通思考とは、どんなものですか?」 「人類の理智の多くが参加することで形成される思考形態のことです。そのためにネットワークを構築してきました…

2022年上半期ベスト+α(小説編)

体調と怠惰が理由で1年ほど消失していた摂取(月)記録をなんかもうオミュッとしてムイッとしてこうなりました。 小説…Best5 チベット幻想奇譚/アンソロジー 沈みかけの船より愛を込めて/アンソロジー プロジェクト・ヘイルメアリー 上・下/アンディ・ウィ…

ブンガク、ブンガクね

『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』を読んだ。日本文学における良質な短編をテーマ毎にいくつか編み英訳して出版されたものの、原著(というか日本語の)編み直し版である。 ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29 新潮社 Amazon 【目次】 ・序…

2021年過ぎ去った春のこと(後編)

オッ偉いなちゃんと後編が出てきた。想像以上にボリュームがある後編になっちゃっただわよ。 小説編(続き) ルート350/古川日出男 きらめく共和国/アンドレス・バルバ 君たちは絶滅危惧種なのか?/森博嗣 アステリズムに花束を ポストコロナのSF 三体Ⅲ 死神…

2021年過ぎ去った春のこと(前編)

色々読んでたんだけども全く何も書く気がなくなって放置してた。何をしてたかって?Switchで遊んでいました。 P5Sクリアレビュー 愛の果てにあるべきものは永遠 - 千年先の我が庭を見よ とは言え溜まりすぎたし、これは読書記録代わりでもあるのでまとめて出…

2021年冬のこと

あれよあれよという間に冬が終わった。 春?春もいつ来たのか分からない。とにかく各種パン祭りが開催されたことだけは察知していて、白い皿に必要な点数はもう集まった。白い皿がもらえたら、それはもう冬の終わりだ。冬は明後日くらいに終わります。 小説 …

2020年秋のこと(ノンフィクション・ゲーム編)

気付けば(略)小説編を書ききったので、ノンフィクション&ゲーム編も頑張って書ききった。偉いな~! ノンフィクション 黒魔術がひそむ国 ミャンマー政治の舞台裏/春日孝之 能はこんなに面白い! 図説 天皇家のしきたり案内: 知られざる宮中行事と伝統文…

2020年秋のこと(小説編)

よく考えたら月記録を3ヶ月くらいしかやっていない。 読んだものを書いておく。量が多くなったので小説とノンフィクションを分ける。(これをするとノンフィクションをやらなくなる)(そういう未来が見える) あとゲームのことも…いずれ。 最近はSFに偏っていた…

2020年9月のこと

街の夕方からツナマヨの匂いが消えた。 夏が去る。近くの巨大な西友が潰れ、新しいスギ薬局は出来続けて、どこそこにイオンモールが出来たという話が耳に寄せられる。秋が来た。寂寞に惑わされることもなく、私たちは本州を逸れ続ける台風の行方を見守ってい…

2020年8月のこと

八月は忘却の季節だ。 鮮明な空の青さと絡みつく熱気は未だ鮮明に残る。 膨大な時間である一方で均一化された日常はとっくの昔に時系列を失い、40日ばかりの空隙はどこにもいけないまま空の青さと熱気を携えて今もそこに残っている。 もう会わない誰かを思い…

2020年7月のこと

「愚将は橋を落とし、賢将は川に落とす」という故事成語がある。(ない)橋を渡り敵軍から逃げる時に、愚かな将軍は橋を落とすことだけを考えるが、賢い将軍は敵軍を川に落とす方法を考える、という意味だ。(ない)つまり、目的と手段のどちらかに視点を置…

2020年6月のこと

このスタイルの月記も一年振りだ。やはりこういう記録はあったほうが良い。自分であとから読み返すのも、きっと誰かが読むのもね。私はこういう誰かの、ぼんやりした対象への文章を読むのが好きだ。読み手への何らかの感情が向いているわけでもない、内々で…

読者の心をフラットラインまで帰してくれるー『たったひとつの冴えたやりかた』

たったひとつの冴えたやりかた 改訳版 作者:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2008/08/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) 読んだ。 名作と名高いSF*1で、タイトルだけなら知っている人も多いだろう。私もその口で、…

概念的な無機物が肉と魂を獲得した世界とは―『ゆえに月は白銀なり』

これは獣と魂の物語だ。 異形の新種生物が実は数千年前に異なる進化系を辿った人類だった...という話はよくある。まぁまぁネタバレになるので作品名は注釈で出すが、超能力獲得から大殺戮を経て遺伝子に攻撃抑制を刻み込まれた人類の話*1とか、必ず双子で生…

『白銀の墟 玄の月』後編(3、4巻) 感想

...読み終わった!? 白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/11/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカ…

十二国記『白銀の墟 玄の月』前編(1,2巻)考察メモ

十二国記の新刊読んだ!? 白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/10/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メ…

火星人と握手、踏襲される人類史、そして完成した3頭のイルカ

何も書くことがない。何故なら日々特に何もインプットしていないからだ。為すべき事を為し、そして眠る。そういう生活だ。それでも何か書いて...というよりは誰かに「読んで欲しい」という気持ちがあって、ぼんやりとキーを叩いている。ただ、何もインプット…

タイトルから望む物が全て在る『機忍兵 零牙』

機忍兵零牙 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 月村了衛 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2010/09/22 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 28回 この商品を含むブログ (22件) を見る 凡そこの世に非ず、別の世界より来たる者を忍びと云う――数多の次元世界を制する謎…

ポストアポカリプスに対する備えは出来ているか?―『ゾンビでわかる神経科学』

2019年7月、世界には未だゾンビ......腐肉を纏い覚束ない足取りで、しかし確かな飢えと怒りを口から滴らせながら生者を襲う者.......は未だ居ない。 ネットの海に放たれた情報がどれ程の未来まで漂い続けるのかは不明だが、もし君が今、ゾンビ・バンデミック…

4月のこと(下)

4月が終わる。 気付けば平成も終わるようだ。だからといって特に生活は大きく変わるわけではないし、どちらかと言えば1年ぶりに行くホテル・ランチビュッフェの方が楽しみだ。食欲が増大してきたので、ここぞとばかりにビュッフェに行くぞ。ご飯大盛り無料は…

4月のこと(上)

4月が始まった。 最近出来たばかりの大きな図書館へ行って上機嫌だ。システムも新しくて便利だし、本も綺麗で沢山あるし、本棚だって見やすいし、ウッヒョ〜〜最高!半日が簡単に溶ける。嬉しくなって山ほど本を借りてきた。小説も好きだけど、最近はノンフ…

3月のこと

3月が終わる。雨上がりの街に甘い花の匂いがする。画用紙を破いたような雲の隙間から、微かに青空が見える。季節の変わり目は好きだ。こうして無意味な寂寞が街に溶けているところも良い。手元の硬質なプレイヤーを止めれば、記憶の中の朧げな音楽を聞くこと…

2月のこと

2月が終わる。先日、平日の昼間に、独立店舗型の大きなニトリへ行った。清潔感漂う明るさの中、記憶に残らない音楽が静かに流れていて、干渉しあう人間の存在はない。高度に機械化された豊かな街のようで、とても居心地が良かった。東京もゆくゆくはああなっ…

零號琴

未だ読んでいない?君は水星にでも住んでいるのか? 零號琴 作者: 飛浩隆 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/10/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る これが小説というものだ。文語を理解し有様を想像することが出来る故に、脳が翻…

1月のこと

1月が終わる。私生活があわただしくなり、数ヶ月が過ぎた。纏まった時間を確保することが難しくなって、大抵の娯楽は生活の中に埋もれていった。 遊んでいる最中にも生活がちらついてゲームに集中できない。記憶にあるほど、LOLも楽しくなくなってきた、と…

量子怪盗

量子怪盗 (ハヤカワ文庫SF)作者: ハンヌライアニエミ,Hannu Rajaniemi,酒井昭伸出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/03/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見るポストヒューマンでシンギュラリティなスペースオペラにそう、ポストサイバーパ…