読書

4月のこと(下)

4月が終わる。 気付けば平成も終わるようだ。だからといって特に生活は大きく変わるわけではないし、どちらかと言えば1年ぶりに行くホテル・ランチビュッフェの方が楽しみだ。食欲が増大してきたので、ここぞとばかりにビュッフェに行くぞ。ご飯大盛り無料は…

4月のこと(上)

4月が始まった。 最近出来たばかりの大きな図書館へ行って上機嫌だ。システムも新しくて便利だし、本も綺麗で沢山あるし、本棚だって見やすいし、ウッヒョ〜〜最高!半日が簡単に溶ける。嬉しくなって山ほど本を借りてきた。小説も好きだけど、最近はノンフ…

3月のこと

3月が終わる。雨上がりの街に甘い花の匂いがする。画用紙を破いたような雲の隙間から、微かに青空が見える。季節の変わり目は好きだ。こうして無意味な寂寞が街に溶けているところも良い。手元の硬質なプレイヤーを止めれば、記憶の中の朧げな音楽を聞くこと…

2月のこと

2月が終わる。先日、平日の昼間に、独立店舗型の大きなニトリへ行った。清潔感漂う明るさの中、記憶に残らない音楽が静かに流れていて、干渉しあう人間の存在はない。高度に機械化された豊かな街のようで、とても居心地が良かった。東京もゆくゆくはああなっ…

零號琴

未だ読んでいない?君は水星にでも住んでいるのか? 零號琴 作者: 飛浩隆 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/10/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る これが小説というものだ。文語を理解し有様を想像することが出来る故に、脳が翻…

1月のこと

1月が終わる。私生活があわただしくなり、数ヶ月が過ぎた。纏まった時間を確保することが難しくなって、大抵の娯楽は生活の中に埋もれていった。 遊んでいる最中にも生活がちらついてゲームに集中できない。記憶にあるほど、LOLも楽しくなくなってきた、と…

量子怪盗

量子怪盗 (ハヤカワ文庫SF)作者: ハンヌライアニエミ,Hannu Rajaniemi,酒井昭伸出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/03/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見るポストヒューマンでシンギュラリティなスペースオペラにそう、ポストサイバーパ…

赤目姫の潮解

さっぱり分からりませんでしたけど、解釈してみただけ、文字に起こす。時系列としては、前二作から遥か未来ということなのだろうか。 真賀田四季の「生命を創る」という主題において、講談社ミステリ(S&Mシリーズ、四季シリース)では 実際に妊娠するとか命…

文字の食卓

石井中ゴシック、光村教科書体、ツデイ……といった様々なフォントの美しさと思い出について語られたエッセイ。 フォントそのものの数学的な美しさを語るというよりは、そのフォントから喚起される感情と思い出について綴られている。 例えば青春時代によく聞…

ブギーポップは笑わない

昨年あたりから細々とブギーポップシリーズを読み始めていて、やっと『ヴァルプルギスの後悔』までたどり着いた。本来ならば中高生の頃にどっぷり浸かっていても良かった筈なのだが、まぁ縁が合わなかったんだろう、1巻を読んだだけで終わっていた。もうライ…

10代で読んでおきたい本

――というと、大体は小難しい”教養書”ばかりがあげられる。勿論こういった本を若いうちに読むことは素晴らしいと思う。だが、10代それでいいのか?私は、本を読むにも「旬」というのはあると思う。春に読むと良いもの、夜明けに読み終わると良いもの、その時…

フリーター家を買う

有川浩のノン恋愛作品。多少ご都合主義はあるけれど、しかしてこの作品が書きたかったのは現実の不甲斐なさだとか不条理さだとは思わないのでソコには目を瞑る。むしろ、ご都合主義の甘ったるさこそ有川浩の良さだと思うのだ。話の構成、波の作り方は流石、…

The Catcher in the Rye

ようやく、『ライ麦畑でつかまえて』を読み終わった実に6年。多分、読もうと思い始めたのは中学で、実際に手にしたのは高校の頃。途中でやめて、大学でやっと読み終わった。ナインストーリーズはとっくに読んでいたんだけども。とても面白かった。大人に反発…

FLOWERS FOR ALGERNON

『アルジャーノンに花束を』を読み終わった。久しぶりに声を上げて泣いた。以下、長ったらしい粗筋&感想文ですので酔狂な方のみどうぞ。↓ 本書は、精神遅滞のある主人公(チャーリィ)が、「りこうになる」為の実験を受け、劇的な知能の急上昇を果たすが、…