赤目姫の潮解

赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE
さっぱり分からりませんでしたけど、解釈してみただけ、文字に起こす。

時系列としては、前二作から遥か未来ということなのだろうか。
真賀田四季の「生命を創る」という主題において、講談社ミステリ(S&Mシリーズ、四季シリース)では
実際に妊娠するとか命の価値だとか、模索していたけれども、
百年シリーズで、人間のバックアップ/サポートとしてのウォーカロン(人形)を誕生させるに至った。
それが、今回の『赤目姫〜』では最終的に人間と人形は哲学的には区別付かないレヴェルまで辿り着いた。
この哲学的にっていうのは、自分でも他人でも、「自分が人間/人形である」と確固たる根拠を持って認識できないという意味です。

たぶんもうこの赤目姫の世界に真賀田四季が存在するかどうかとか関係ないんだろうな。

人形は独自にミサカネットワーク(ref.『とある魔術の禁書目録』)のような、電脳(ref.攻殻機動隊)のようなネットワークを持っている。
おめめカラーリングシリーズ(赤目姫、緑目王子、紫王など)というのは、結局すべて真賀田四季の産物の末裔で、おそらく人形のシステム管理者というか、上位の存在であるのだろう。
そのため、意識的に、このネットワークを介して他人の意識ジャックができる。
そのネットワークの混線が、本書の「主観(一人称視点)」の混線として描かれており、また、赤目姫たちがアクシデントと認識している状況である。
なお、混線の原因は、「他人の意識のトレース」という極めて人間的な行為に因るものであった。
(このあたりのグチャグチャは「我思う故に我有り」という言葉へのアンチテーゼというか、
思うことは確かでも、それで本当に自分があるといえるのか?それは他者の意識ではないのか?
というのが一人称視点のブレのテーマではなかろうか。)

ちなみにこのアクシデントの原因を謎解きするのはこの本の目的ではないので、ここから全く何も展開しない。
以上の状況を踏まえて、それぞれが如何に考え、思うのかというだけの話である。
あとは、真賀田四季先生が12人に分かれて12人でしゃべってるみたいなやつだ。
というか、赤目姫とか、緑目王子とかは身体の老化に伴い、ボディを換え、意識だけを転々とさせているようなので、
もしかしたら真賀田四季が、自分を何分割かして、人形に入れたのが、赤目姫とか緑目王子とかなのかもしれない。

というかこの本、第12章までが起で第13章が承転結なのでは........。

この本の内容とか要旨を書けといわれたら5時間くらいかかりそうですが、
エンタテイメント目線で書けば、上記のようなまとめとなります。(なりました。)
解釈は色々あると思いますけれど。

あと、砂漠で「なんらかの人工的な巨大な力がかかって、地球の自転が一定でなくなっている」っていうアレは、迷宮百年の睡魔の都市のシステムのこと?
(おぼろげ)
うーん、前二作をもう一度読まないとそのあたりは分からんけれども。

とりあえず以上。