2024年冬のこと

小説

好き?好き?大好き?/R.D.レイン

愛がなければ応えられないだろう、という問答や様相をいくつも描いた詩集のような作品である。

そこに表されている愛情を文字から読み取るよりも、気が狂うようなコミュニケーションに対して相手を尊重した受け答えを最後まで貫き通している、という見えない受け手の方の精神構造を想像するのがこの作品の鑑賞の仕方であると思う。

でも個人的な感想としては、特に響くものは無くそういう文学だな、という感じだった。これは私がもうすでに自分にとっての愛というものの定義を確立してしまっているからだと思う。文学は解釈の余地がない人生には響かない。愛の定義を確立しておかないと上手くやれない人生を送っている。

湖畔地図製作社/長野まゆみ

手のひらサイズのスコープオブジェを覗くとそこには幻想的な景色が広がっている。その限られた小さな世界の写真に、長野まゆみによる同じくらい小さな物語が寄せられている…という作品である。小説ではない。

選ばれる言葉の美しさはさすがで、たった数行の言葉が、果てしない物語の一片のように思えてくる。

でも、これも個人的にそれほど心に響かなかった。美術館で本当に見ていればもう少し違ったかもしれない。写真ではなく、自分が本当に覗いて、静謐な空間で体験として読めたらもう少し幻想に酔えただろうなと思う。

不夜島/萩堂顕

2024年ベストです。暫定ではなく、もうこれがベストです。全員読んでください。

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ノンフィクション

イラク水滸伝高野秀行

氏の冒険譚はとても好きで、今までも何冊か読んでいる。なんと単行本で500ページ弱という超大作。

今回はアフワールと呼ばれるイラクの湿地帯を巡る。その湿地帯がアウトロー好漢達の逃げ込み先であり反抗拠点となったという歴史を知った高野氏が、「水滸伝じゃん!」となりその実態を探りに行く冒険譚だ。

現地のヒトの温度感、価値観に振り回されながらも馴染んでいくさまが克明に書かれており、「湿地帯」という場にそこに住む人々の中に入ることで、社会と歴史が編み上げてきた実態を解きほぐしていく。だってそうだ、そもそもその調査方法が「伝統のカッコイイ船を作って貰って、それに乗って湿地帯を巡れば一目置かれて安全に調査できるんじゃない?」という発想がスタートなのだ。文化の内側に触れるために費やす情熱と氏の知見がそこにある。

その伝えることへの情熱はきちんと読者へも注がれていて、とにかく読んでいてオモシレー!という純粋なワクワクがある。強力すぎる相棒にして川のプロという先輩という相棒だったり、愛の歌を歌う船頭だったりと出てくる人々の個性が魅力的だったり、珍しくておいしそうな食事だったり、知らない文化に戸惑う日本人としての姿だったり、「世界って面白いんだぞ!」という目線で見た世界が味わえる。

そうか、世界って知らないことがあって面白いのかもしれないな、というポジティブな感情が得られる冒険譚というのはとても素敵だと思う。

遺伝子が語る免疫学夜話 自己を攻撃する体はなぜ生まれたか?/橋本求

アレルギー、免疫疾患など「自己を外敵から守るはずの身体の仕組みが、自己を攻撃してしまう」のはなぜか?という免疫学について医師が語る本である。もう少し厳密に言えば「そういう生命にとって不利なはずの仕組みがなぜあり続けているのか?自然淘汰されるものじゃないの?」という一般人のフワっとした気持ちをスタートにして、人間がどのように進化して免疫はどのような仕組みなのかを解説している。

門外漢にとっても読みやすくて興味深い内容だった。

何より、これを読んであれやこれやのSFの彩度が上がった。ちょうど今『ロボットの夢の都市』を読んでいて、腸内細菌信仰が出てきたのでウンウンそうなるよねってなっちゃった。そういう感じ。

おすすめです。

ゲーム

スーパーマリオブラザーズ ワンダー

ワクワクドキドキ大冒険みたいな愉しさを期待してたのに、絵面とファンキーフラワーが愉快なだけの苦行アクションでもう距離置いてしまった。

素早い決断と素早いボタン操作が求められるものが苦手なんだ!ゆっくり考えたい。まずマリオというゲームに向いてないタイプである。それはそう。

今は人がやってる横で「地獄~~!」と笑いながら時折ギミックを発見する係をやっている。

ゼルダの伝説 ティアーズ・オブ・ザ・キングダム

正月に買ってからずーーっと2か月間遊び通しである。やっぱり面白かった…。

「地下を探検する」というのが嫌いだ。暗くて見通せなくて現在地が分かりにくい、というのが苦手なのだ。RPGではやたらと地下水道やら廃坑を歩かせたがるが、毎回不快であった。ということで、ティアキンでも地下と洞窟にはうんざりしているが、一方で見通せる空と地上マップはもう楽しくてしょうがない。上下に移動できるって最高かよ!

空と地上をシームレスに移動できるってこんなに楽しかったんだ、とコンセプトに五体投地している。

 

でもやれることが多すぎるので、ちょっと食傷気味だ。細く長く遊ぶゲームなのだろうか。あと根本的にゲームの操作が苦手なので、ウルトラハンドにもストレスを溜めている。でもトーレルーフは楽しい。上下に移動できるって最高かよ!上下大好きマンなのかもしれない。シャトルエレベーターも好きです。

 

そういうものと言われればそうなのだが、RPGの「無口な主人公」には人間味がない。加えてリンクはなんだか負の感情は見えないし、ゼルダにも何の感情も抱いていなさそうだし、お役目のためだけに生きている英雄そのもののような虚しさがあった。でもティアキンでゾナウガチャを回してカプセルがたくさん出て来た時に「オッフォ」と初めて喜びと驚きの混じった声をあげていて、あっリンクも人間(≒感情を持つ個人の意)だったんだ、と感動してしまった。ガチャで見える人間性、こんなとこにもあったんだ。

 

今は、ハイラル城にもう一回行けと言われて、どうせまた中ボスと戦うことになるんでしょ…嫌じゃ嫌じゃ…と道草をしている最中である。食傷気味でもあるので、youtubeで楽しいウルトラハンド動画を見たりなどしている。でも操作がへたくそなんだ!まぁでもプレイしてない時間もゲームのことを考えられるゲームはやっぱり傑作なんだなぁ…と思うのだった。

チームワークの甘い蜜を吸うために狼になる

なんかそんなに真剣-マジ-にならずに、チームワークの粋が味わえて勝利の達成感が得られるゲームで遊びたーい!

と思うことが1年に7回くらいある。かつて味わったLOLの甘い蜜(辛酸も舐めまくったが)を忘れられないでいるのだ。

 

かつて生きるために巨マンモスを群れで仕留めた太古の狩猟の記憶が、魂を揺さぶっている。

そこでデカい熊やよく暴れるワニなどを食い殺す狼になって、一番強いやつの遠吠えにワープできるワンワンゲーをプレイすることにする。

The Wolf: Online RPG Simulator

The Wolf: Online RPG Simulator

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ゲームを起動してなんやかんやすると、広い大地に降り立つことになる。まずは小さな獲物、鹿などを一人で狩ることになる。狩りの経験を積むことでレベルアップしていく。よりデカい獲物は経験値が高く、しかしデカい獲物は…強い!一匹では熊に殺されてしまう!

そこでその辺にいる狼たち(他プレイヤー)とデカい熊を仕留めることになる。ここは広いネットの…森だ。海ではなくなった。狼に言語はない*1ので、基本的に近場の狼がウロウロして「いきそうだな?」と思ったところに全員で行くスタイルだ。お前が求めていた原始チームワークがそこにある。

より賢さ(ゲームに対する理解)が高まってくると(たぶんお前はゲームの説明とかチュートリアルをあまり読まないだろう)そのエリアにいる一番強い狼がエースウルフであり、遠吠えに呼応するとエースウルフの位置までワープできることが分かってくる。強い奴を中心にすべては回る。獣の世界だからだ。シンプルだ。

 

遠吠えに呼応し、仲間とともに熊を狩り、ときおり鹿を独りで喰い、餌場を求めて5匹でウロウロする。狼だ!今、私は狼になっている!!強い実感が得られる。

鹿~~~!

強い実感が得られる上に、強くなればフレイムスピンも撃てるようになる。

そうだ!その調子でエースウルフを目指すのだ。自分の遠吠えに仲間が集まる様は見ていて気分が良い。

 

もちろんこのゲームを極めている人々もいて、緻密な攻略サイトも存在するし、PvPの要素もある。でも無料オンライン協力ゲームにおいて私が求めているものは人間の善性をチュルチュル啜ることであって、相手を打ち負かす戦略と戦術のマリアージュではない。

遠吠えで仲間が集まってくる快感や大きな熊を5匹で倒す達成感を味わいたいのである。

 

だからまぁ、レベル11くらいでやめてしまった。それ以上頑張るのってだいたいPvPで勝つためだから…。スマホゲーム長続きしないんだよな。でも今でも時々思い出すんだ、狼になった時の気持ちを。

そういう気持ちで今、これを書いている。3年前の話である。

 

 

 

 

 

 

*1:チャット欄があるにはあるが誰一人発言しておらず、発言を打ち込んでいる隙にほかの狼に置いて行かれるので言語のコミュニケーションの必要性がない

数多の光とともに/不夜島<ナイトランド>

 

架空の第二次世界大戦後、敗戦した日本の琉球の最先端の与那国島、そして台湾を舞台にしたサイバーパンクである。義体を規制された戦後日本と電脳技術の黎明期たる世界。技術と社会が混じり合った過渡期…人間の想像力と現実の汽水域を楽しむには最高の背景だ。

腕利きの密貿易人である武庭純は、「含光<ポジティビティ>」を手に入れろ、という命を受け、含光とは何なのかさえ知らないまま奔走する。闇市場に出回る義体、電脳は知能の公平な分配と唱える共産主義、踏み荒らされていく土地の者たちの意識、氷のような思考とともに誰よりも激しく踊る毛利巡査、とんでもない掛け金となった賭博に熱狂する者共、死、多脚戦車、電脳が故障しており戦後を認知できず狂戦士となった大尉、が入り混じり、物語は転がり続ける。不夜島となったその場所で、数多の光を巻き込みながら。

 

以下はネタバレアリの感想です。

 

とにかくストーリーに勢いが無くなってきた頃に視覚的な興奮を作る構成が上手い。屋上で楊さんと煙草をもらい受けるシーンなどはその典型で、

俺がマッチを擦るのに合わせて加えた。先に火を点けてやり、煙草同士で火をもらい受ける

この見栄えのいいシーンを、自然に、そういう仕草が必要なタイミングで、挟んでくるのだ。感情を読む気持ちよさに加えて視覚的な興奮が挟まることで、退屈する隙がない。退屈する前にそれに毛利巡査は踊るし、熱狂する賭博に打ち込むことになる。

更に、日本刀サイバネティックニンジャとの闘いとか「俺自身が銃架になることだ!」とか面白小ネタを挟んでいるのに、流れが白けないところが読んでいて本当に楽しいし気持ちいい。ちゃんと面白くなるために伏線を貼ったり小道具を揃えたり、読み手のテンションを整えてから「オモシロ!」を出してくる。長編小説を書くのが上手すぎる!

キャラクターも魅力的で、特にナウシカア少佐、デカいのが良かった。この手のキャラクターで美少女とかではなくただただ身長がデカい、というキャラクター性が痺れる。口調もラスボス感があってゾクゾクする。

この小説、とにかく褒めるところしかない。

 

前作『ループ・オブ・ザ・コード』でも感じたが、死とは一瞬、という理念があると思う。本作でもキャラクターが死ぬが、死に際にも別れにもほとんどページが割かれておらず、それがかえって死という喪失を際立たせている。そうだ、現実では特別な死があったからといって、それまでの時間(物語)の流れは止まらないものだ。立ち止まって茫然としている余裕がある状況で死に立ち会うことなど望めない。死は常に突然で、(社会の中で生きている)遺されるものにとっては、流れゆく人生の一つの点でしかない…という作者の理念のようなものを感じた。

 

数多の光。それは喧噪絶え間ない眠らない島であり、希望であり、余すところなく見ているという闇を許さぬ目であり、含光であり、ミラーボールであり、人生の輝きであり、爆発である。

そしてそれらを巻き込み、物語は進んだ。巻き込まれた後はどうなっているのか。最後に通ってきた道を振り返ることになる。

そこには光が失われた道がある。

まるでマングローブのようにはさすがに嘘、音に惹かれてズゴット

病院へ行く予定があったので火曜の午後を休みにした。

思ったより早く終わったので、国道沿いのチェーンのカフェに入る。遅めのランチだ。ガレットとコーヒーを頼み、新聞を読んで、駐車に難航しているデカくて白くて四角い車を眺めていた。料理が運ばれてくる。

春のパン祭りで貰える皿の限界を超えた大きさの皿に、ガレットとチーズとスモークサーモン、そしてサラダが美しく盛られている。深い藍色の皿の上で緑色のサラダは映える。まるでマングローブのように…。

カフェで出てくるサラダってなんでこんな美味いんだろう。新鮮な野菜に既製品のドレッシングかけてるだけだろうに、家で同じことをすると「栄養のために野菜を摂取している感」が否めない。ああ、違う違う、喫茶店で出てくるキャベツの千切りとコーンが入っているタイプのサラダじゃなくて、全てが正方形に千切られていてフォークでザクザク食べるタイプのサラダの話だ。紫色だったり濃い緑だったり、様々な葉が入り乱れ色鮮やかになっているやつ。逆にキャベツとコーンのサラダはどこで食べても一緒だ。

もしかして照明だろうか?

確かに、カフェの照明はやたらと料理を輝かせる。新鮮な野菜達はオイルをかけられてキラキラテラテラしていて、いかにも健康そうだ。光るものに対して常に希望の匂いを感じてしまう。ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドでは、光のある方向に向かって走ったり登ったり滑ったりしていれば大抵、祠があった。光に導かれてハッピーなリザルトを得るという成功体験が、サラダを美味くしているのかもしれない。

 

*****

もう今週で終わりで良いですよ、と言われた病院を後にしてイタリアの国旗を掲げた読めない名前の喫茶店に来た。ケーキセットを頼むと、クラシカルメイドエプロンの給仕がケーキを幾つか持ってきて、どれにしますか、と聞く。

数秒迷って、ズゴットというケーキを選んだ。兵士だか聖職者だかの帽子がその名の由来かもしれないと言われているらしい。これはコーヒを待っている間に調べた。大きなドーム型のケーキで、中にはクリームが詰まっていて、切り分けると「いっぱい甘いクリームが食べたいんでしょ〜!」と言わんばかりの見た目になる。魅力的な地球の地殻とマントルのようである。こういうの資料集の図でよく見たな…と思いながらフォークで切り分けて食べた。甘い、美味しい。

そういえば私はZから始まる音はこういうリズムの言葉が好きだな、と思い出す。

子どもの頃、ポケモンアニメが流行っていた。あの頃はポケモンも151匹しかいなくて、その151匹の名前を覚えて全部言えるようになるとスゲ〜ぜ!という煌めきの元、『ポケモン言えるかな?』という歌があった。メロディに合わせて151匹の名前を言いつつ合いの手でランラン言うだけの歌だったが、私は「ズバットギャロップ」という部分が好きだった。ズ、で濁ったまま“ット”で上がり促音になってギャロップで濁り音が下がる……そういう暴れ馬で荒れ道を駆け抜けるような御しがたい爽快感が好きだったのだ。

何かを選ぶ時に、思いのほか言葉の気持ちよさに惹かれていることがあるな、と思いながら皿に残ったクリームを掬った。甘い、美味しい。ズゴットは名前も良いし中身も良いケーキだ。

2023年のこと[小説・ノンフィクション編]+2023ベスト

前回こういうの書いたの2023年2月なんだって…ということで10ヶ月分を雑にお届け。そしてもう…2024年にナッチャッタけど…構わずベストも出していくぜ!な回です。

今年は書いていくわよ、ブログを…!

小説

文明交錯/ローラン・ビネ

銃・病原菌・鉄を持ってインカ帝国がスペインを征服していたとしたら?という歴史IF小説。少しずつ正史から外れていく出来事が数世紀を経て一気に歴史の歯車を逆回転させ出す様は小気味良く、読んでいる最中のワクワクが止まらなかった。

NHKスペシャル アンデスミイラ、インカ、マヤ

インカ帝国おもしれ〜!となって読み漁った本たち。冒頭に恩田陸旅行記が載っており、一気にその場所の空気や手触りが脳内に広がっていく。恩田陸は、小説のリアリティを場から起こすタイプ、とご自身でも仰っているとおり「場所」の想起が恐ろしく巧い。

インカの王は死後も生前と同じように従者や財産を保有し続ける。即ち次代の王は自らの財を為すべく国家を拡張し続けることになる。同様に市井においてもその存在は死後で断絶されない。それは乾燥の激しい彼の地では死体が腐らずミイラ化するため、死によって失われるものが我々とは違うのだ。環境が変われば死生観(文化)も異なるというのは演繹では認識していたものの、帰納的に理解できたときに初めて理解となった。

ってことは南米にはミイラとかゾンビ、幽霊はいないのかな。南米ホラーにも興味が出てきたぞ。

世界って面白ェ〜!と自分の知らない領域が一気に開けてきて久しぶりにワクワクしている。(継続中)

花びらとその他の不穏な物語/グアダルーペ・ゲッペル

一作目の眼科お抱えの写真撮影師がまぶたに執着する話を読んで「作者、女性だな」と思った。(そして合ってた)性的でない身体の一部分へのフェティッシュの描き方は女性作家が上手い気がする。というか、書き手は女性だろうなという独特の文の生暖かさがある気がする。小川洋子とか…

人が幻想じみた現実に触れた時に抱えることになる虚さみたいなものを描くのがとても上手くて、読了後もその感情が読み手に残り続ける。そういう小説だった。

そして私たちの物語は世界の物語の一部となる/インド北東部女性作家アンソロジー

インド北東部の女性作家に限定したアンソロジー。口伝でしか残らない民話、そこにある文化という背景を持つ物語たち…を収集し、「残すし伝える」ことを目的として編まれている。タイトルが示す通り「そして世界の物語の一部となる」のだ。

一日四食食べるとか朝起きた時の音や匂いが違うといった異なる土地と慣習によって生まれる異国の幻想もあれば、「娘が強姦された場合、被害者の娘の父親が相手を赦すことが何よりの義である」といった現実の倫理観の悲哀を詳らかにする物語もある。

フィクションとは大衆による想像力であり、大衆のその想像力を育てるものは何だったのか「何」を探るためにどうしてきたのか、みたいなところが娯楽の一歩先の作品鑑賞という嗜みであると思う。そしてまた逆説的に「何」を描き周知するために文学という手段が取られることもある…というのがよく分かるアンソロジーである。

塩と運命の皇后/ニー・ヴォ

純然たるファンタジー。歴史収集家である聖職者チーの旅路という形で二編が収録されている。

表題作である『塩と運命の皇后』は50年ぶりに封印が説かれるという湖のほとりで、謎めいた老女から追放された悲劇の女王の伝説を聞く話である。髪の色、女王の誇り、従者の敬愛その一つ一つが細やかに描写され、老婆の語りは読者の心をも掴んで離さない。王道の語り手によるファンタジーである。

主人公の相方であるヤツガシラ(鳥)のオールモスト・ブリリアントって名前のコミカルな感じが良い。この名前の存在によって、読者に語られていることすべてが虚構じみてきていて、この固有名詞は全体の良いスパイスになっているなと持った。(ヤツガシラ、調べたら意外とかわいい目をした鳥だった)

二編目の『虎が山から下りるとき』は人間に伝わる虎の英雄譚を、今にもチーらを喰おうとしている虎の”陛下”へ語る話である。私はこの手の「化物相手に語りで一夜を凌ぐ」シェーラザード的な物語の型がとても好きなので、非常に楽しく読みました。虎が一応ヒトガタをしているっぽいけれど、端々に猫科が感じられてカワイイ。英雄譚はそのまま異類婚姻譚でもあるわけど、これがもう萌え!なんだな…。

 

上述の鳥の名前もそうだけど、「かわいい」「残酷さ」「神秘」が本当にうまく配合されており、それがこれだけのリーダビリティとワクワクを作り出したと思う。それから、本筋の語りの端々に現れる、物語の説明のない脇役達が凄く良かった。龍会議だとか歩く犬の呪いとか、試験で死んだ受験者の幽霊の怒りとか)呪いや幽霊の存在が当然の存在だとか、そこにある節理がその世界の住人にとっては常識なんだと分かる描写も良い。エルフや魔法のファンタジー感よりも、「そういう風に世界が回っている」という摂理の方にロマンを感じる。

あと表紙の絵がすごく良くて、ちゃんと物語の中のアイテムが散らばっているのも「不思議の書」という本自体の雰囲気があってとても良かった。続編が楽しみ。

忘らるる物語/高殿円

燦という大国が支配する世界で、貧しい辺境の女王であった環璃は突如生んだばかりの子を奪われ、「皇后星」として次の燦帝候補である四人の藩王のもとを巡ることとなる。滞在中に彼女に子を孕ませた王が、次の王の親となるのだ。しかし、その旅の最中で触れた男を一瞬で塵にする不思議な力を持った女と出会う。女を「帝を産む存在」としか見ないような、あの、男たちを一瞬で塵に!

旅の中で露になっていく「支配される側」としての女達の嘆きと強い怒りは環璃とともに旅の果てまで辿り着く。その時、そこにあった「忘らるる物語」とは…というファンタジーである。

 

地理や因習や神と科学の在り方も精密で、美しく重厚に練り上げられている。世界観を読み解いていくのがとても楽しい。一方で、現実の世界が孕むジェンダーや搾取される側としての女という問題をかなり強くテーマの骨と肉にしており、その怒りがあまりにも強く、参ってしまう。苛烈、とてつもなく苛烈です。ここまでしないと伝わらないでしょという作者の熱意もひしひしと伝わってくる。極上のファンタジーという皮でもって読者の心にまで侵入してくる、その気概は真のものである。

鈍色幻視行/恩田陸

ここ数年の恩田陸長編で一番面白かった。一気読みでございました。

時代に全力で並走する作家なんだという胆力を強く感じたし、小夜子から脈々と継がれている真実と虚構とミステリへの思想がどんどん研ぎ澄まされている。とにかく描写とその補足が上手くて、視覚情報以外のものをセリフとか人物のリアクションで補完するから場の絵が簡単にイメージできる。リーダビリティの鬼、あとこんな語り手とアングルを混ぜこぜで書いて話がスムーズに分かるってあたりも凄い。

アブソルート・コールド/結城充考

コテコテの王道サイバーパンク。固有名詞のネーミングと背景美術への強い拘りが良かった。想像するサイバーパンクの全てがある。でも想像通り過ぎるところもある。

ウェルテルタウンでやすらかに/西尾維新

めっっちゃくちゃ面白かった……。とにかくおもしれー小説を、夢中になってテンポよく読める小気味良い小説を、書くぞォオオって書いてる西尾維新先生がもう痺れるくらい格好いいわね。

ノンフィクション

教養として知っておこうではなくて、『文明交錯』からインカを色々読んでオモシレ~となり、人類とか世界がどうなってるのかちゃんと興味を持つようになって、いろいろ読んでいた。興味を持つと、同じことをやっていても愉しさが全然違う。せやね。

2030年の世界地図/落合陽一

テクノロジー、政治、環境と分野も多岐にわたっており、ざっくり今を知るにはちょうどよかった。落合陽一、ミクロなことを語っているときは好きになれないな~という感じなのだが、マクロな命題に関しては鋭く視座に富んださすがのお方なので、テーマに合わせて読むといい。と思ってる。個人の感想です。

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

世界のリアルは「数字」でつかめ! /パーツラフ・シュミル

これもまぁそういう系統の本。数字やグラフの綾を解く本ではなく、「こういう風に社会は動いているようだけど、これは実際どういう数字に基づいた出来事なんだろうか」という切り口で処々の問題を見ていくという本。一節あたりが短くて読みやすい本だった。

Numbers Don't Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!

池上彰教授の東工大講義[世界篇]
この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義
池上彰教授の東工大講義 学校では教えない「社会人のための現代史」 

結局、池上彰の解説本が一番読みやすい。こういう「とにかく導入で1冊さくっと読んでおこう」みたいな時にはまず池上彰に頼っている気がする。

AI vs教科書が読めない子どもたち

煽ってるタイトルだな~と思って発売当初は白い目で見ていたんだけど、AIに言及している自分が読んだノンフィクション国内本でも多くがこの本に言及していた(そしてフォロワーも割と読んでるっぽい)ので、読んだ。私はフォロワーを信頼している。

結果的にめちゃくちゃイイ本だった。読了するとタイトルが煽っているわけではないのが分かるし、AIの限界を見極める研究と、そこから遡及的に見えてくる人間の読解力という問題を扱った非常に誠実な本だった。オススメ。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

2023年ベスト

1位:文明交錯/ローランビネ

特別に面白かった本は他にもあるけど、この本を読んで、初めて世界に対してまともに興味を持っていろいろ読み始めたので、自分への影響という意味ではこれが今年のベストです。

2位:ループ・オブ・ザ・コード/荻堂顕

あまりにも面白すぎて、数ページ読んで読書会を設定した。荻堂顕という作家を知っただけで2023年に意味がある。ポスト・伊藤計劃は伊達ではなく、そして恐ろしく小説が巧い。詳しくは以下の記事をご参照のこと。そして、黙って読め。

2023年1月のこと - 千年先の我が庭を見よ

『ループ・オブ・ザ・コード』―感想メモ - 千年先の我が庭を見よ

3位:最愛のこども/松浦理英子

この小説を読んでいるのと、読んでいないのではたぶん自分の中の感情が違ってい来るだろうなという小説。時々あるよね、そういうの。ソラリスとか。あと自分の中の十七歳の私がこれはベストに入れなよって笑っている。分かってるでしょ?

群れによる語りと鮮やかな日々『最愛の子ども』 - 千年先の我が庭を見よ

まとめとか今年(今年にナッチャッタ!)の抱負とか

2023年は「あんまり読んだことのない国の小説を読もう」と思っていろいろ読んだ年だった。知らない国を知るのが楽しい、という当たり前のことを実感できており、この目標?は継続中。

2024年は

・WWシリーズの感想をちゃんと書きたい

・というかそもそも今年はもっとブログを書くぞ!

・テキストアドベンチャーゲームとも上手く付き合っていく

という感じで頑張っていこうと思います。

 

今年もよろしくお願い致します。

 

 

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2023年のこと[マンガ・アニメ・ゲーム編]

2023年に読んだり見たりプレイしたやつの総集編である。総集編っていうか、書いてなかった分をまとめてギュッと出したやつだ。ベストではない。ベストを選べるほど記憶の母数がないのだ、消え去ってしまった…。

マンガ

いうてもともと漫画をめちゃくちゃ買うタイプでもなく、最近はWEB漫画とかでチラホラ読みしちゃってるから思い返すとそんな記憶に残ってない。

Dr.STONE

科学大好き高校生の石神千空の見守る中、親友のポジティブ脳筋の大地が想い人の杠ちゃんに告白しようとしたところで謎の光が天球を覆い、地球上の全人類が石化してしまう。そして三千年後、突然、千空は目覚める!文明が崩壊し、石化した人類を横目に千空は科学の可能性と未来を信じて邁進していく。「人類を石化から取り戻す」として…!

石化の謎という大テーマの一方で、目覚め始めた少数の人類たちと千空は思想の違いから対立していく。それを解決すべく、千空は科学を、文明を徐々に発展させていく。ゼロから始めて、Civilization(ゲーム)のスキルツリーのごとく、ガラス、鉄、動力、農業化、工場化…と解放していく様はゲーム同様に前進への爽快感に満ちている。そしてね~何より千空が諦めないんだな!科学というものが、地道なトライアンドエラーでやがて真理に辿り着くということを知っているし、人類を信じることもやめない。精神論じゃなくて、諦めないことで成せる強さをいうものを実証してくる。

王道ジャンプ漫画のの気持ちよさ、朗らかさがここにある。読んでいるととても明るい気持ちになるの良い漫画だった。超オススメ。

もののがたり

完結した。こっちも主人公の精神が鋼のように強い話で、ずっと前を見続けていたな…。キャラクターの心の潔さも気持ちよかったが、動きの絵が抜群に巧くて綺麗な漫画だった。題材も好みで、薬研というものをこの漫画で知ったな~。表紙絵通りの完全ハッピーエンドで潔い漫画でございましした。

ダンジョン飯

完結した。(その2)

ちょっと異色の飯マンガだと思っていた作品がこんなに太い背骨があって大きな話だったとは、と感嘆の声しか出てこない。素晴らしい完結でございました。アニメ、始まったね~。

アニメ

年なのか嗜好なのかわからんけれど、徐々に毎クールのアニメを見ることが少なくなってきた。でもいまだに「私は…アニメが好き!」の気持ちを失いたくなくて毎クールチェックしています。

無職転生Ⅰ・Ⅱ

引きこもり無職ニート実家寄生おじさんだった主人公が交通事故で死んで異世界転生し、生前を反省して一念発起、頑張ってやっていく物語。とにかくⅠのアニメが非常にすばらしく、独白のCVが杉田智一さんなところも、物語の各話・全体の構成も巧い。カメラワークやキャラの動き、隠喩、OPの使い方と時間の流し方等々…アニメーションの全てのクオリティが高い。

このアニメの唯一の欠点が主人公のキャラクターにあった。主人公がとにかくパンツを宝物にする、みたいな「性欲に生前のコンプレックスがある」が、面白エッセンスとして時々話に挿入されるのが見ててキツかった。異性とのコミュニケーションや恋愛に、ではなくて性欲なのである。そこに共感を求めてくる感じが全く合わなくて、そういうところはまぁまぁ飛ばした。CV杉田智一じゃなかったら切ってた。

ともかく「アニメ化の出来がいい」という教科書みたいなアニメだった。なんか見るアニメを探してる、みたいなアニメが好きな人にはお勧めだと思う。

機動戦士ガンダム 水星の魔女

女性主人公に同性の婚約者、身体拡張としてのガンダム…と設定の妙はあったんだけど、ガンダムでやらない方がもっと面白かったんじゃないかという気持ちはある。あとやっぱり株式会社ガンダムはギャグの部類でしょ。

(株)ガンダムがギャグなのか真面目なのか分からない、もそうなんだけど、人間模様や関係性も描かれ方がなんだか散らばってて、全体的に「で、どう受け止めたらいいのこれ」という気持ちになることの多いアニメだったな。薄く広く面白いことを扱ってる感覚はあったけど。総評として、その瞬間は面白くはあるけど全体として見ると、とっ散らかっててイマイチ掴み所の分かりにくいアニメだった。

アンデッドアンラック

触れた人に不幸を呼び寄せてしまう超絶不幸体質の少女と不死の男が出会い、世界を変えようとしていく話。彼らは「否定者」と呼ばれ、何らかの事象を否定する。少女はアンラック、幸運を否定しているし、男は死を否定している。そういった存在と、世界のルールが徐々に明らかにされていくし、あと少女は王道のツンデレを続けながら男とイチャイチャしていく、なんかそういうアニメ。

楽しい。萌え化してない、こんな野性味のある生きのいいツンデレ久々に見た。ポカスカイチャコラやってる流れを見ているだけで心がウキウキしてくる。キャラクターが魅力的で進むタイプのアニメ(漫画)だ。たぶん2クールやると信じているので今は13話を心待ちにしている。

ゲーム

ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド

満を持してやったわよ。

「ただ山を登って、草原を走り回り、その先に何もなかった時の徒労を自分は楽しめるのだろうか?」と懸念していたのだが、めちゃくちゃ楽しめた。目的が無いゲームをあんまり楽しめない気がしていたのだが、それよりも「未知の大地で発見する」という冒険心が満たされて気持ちよかった。私は冒険が好き。Ylandsでも木を切り倒して鉄を作り大型船にエンジンをつけて外洋に出て見知らぬ新大陸を探す旅に出た時は興奮しっぱなしだったし…。

シーカータワー起動がめちゃくちゃ楽しい。とにかく新大陸発見の楽しさがギュッと詰まったゲームだった。続編を買おうか悩んでいます。どうせ超面白いんでしょ!

ディアブロ

ゲームの初期設定画面の「ディアブロの顔がうっすらと見えるくらに画面の明るさを調整してください」というアナウンスで「ディアブロに!?顔ってあるの!?」となっていた。そういう認知度から始めるディアブロ、あるんですか?あるんです。ココです。

あと、ディアブロデビルメイクライを混同していた。

それはつまり、爽快に剣を振り回すことなどなく、緑色のガニ股ゾンビワンワン3体とバーサーカーみたいな木偶の坊を連れて荒地を駆け回ることとなったのだった…。

ファミレスを享受せよ

www.wakuwakugames.com

一気プレイしなかったのが良くなかった。ノスタルジーが消失する。生活の隙間でやるゲームではない。とは言えゲーム自体の雰囲気はとても良くて、プレイ後にはそこにないファミレスを思い出し、心の中にリミナルスペースが生まれる事になる。今もムーンパレスのことを時々思い出す。

 

下記は「『ファミレスを享受せよ』をプレイした男のブログ」というテイの二次創作。

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詰んどるやつ

・Kentucky Route Zero

・ディスコ・エリジウム

テキストアドベンチャーの文章って頭に入ってこないんだよな。何でだろ、覚えなきゃって思うのがストレスなのかもしれない。

そう、キャラクターがよく口頭で指示出してくるじゃん。「そこの本屋の角を東に曲がって、三本杉が見えたら左、煙草屋の隣にモルデリンはいるわ」みたいやなつ。

ゲーム機能としてあとで見返せるワードであっても聞いてる最中は「覚えなきゃ」って頑張っちゃって楽しめなくなる。あと東って太陽が出てなくても分かるもんなの?会話もあんまり頭に入ってこなくて、誰かの何かへの言及が伏線なのか妄想虚言なのか分からなくなってしまうことへの恐れが強すぎる。あとから誰の何の話が繋がっているのか、一生懸命覚えておかないとって思いすぎてゲームが楽しめてない。

そういう感じで、上の二つは特に自分と相性が悪くて全く進んでおらぬ。

でも雰囲気はなーかなり趣味なんだよなー。

ゲームの中の人間は確実に創造主による創作なので、全てに意味があり何もかもが計算されている事物であるという見方から抜け出せない。ナラティブの呪いに苛まれている。

 

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テキストアドベンチャー読書会をしたい!と意気込んでいたが、テキストアドベンチャー読書会って何をしたらいいのかわからなくて(あと上述の理由で私がテキストアドベンチャーと上手く付き合えていなくて)頓挫している。誰かが延々喋っているのを聞いた方がいいのかもしれない。2024年はもう少しうまくゲームと付き合っていきたいものです。

 

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2023年に気付いたこと

ガンジーは言った。

明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学びなさい、と。

そのあとに俺は続けて言った。

そして共有できるものはブログに書くべきだ、と。

ウインナーは冷凍できる

大容量のウインナー袋に「冷凍できます」って書いてあるのだ。最近な気がするな、ワカラン、見落としていただけだろうか?とにかく冷凍できるのか~!と思って安心して大容量ウインナーを買うようになった。ポトフなんかにはそのままぶち込めば良いのでラク

ふりかけディ

少しだけ残った昨日の炒め物とか3つだけ残った一昨日の唐揚げとか飽きられて期限を迎えつつある作り置きなどが冷蔵庫を徐々に占有し始めるのが、だいたい木曜日とか金曜日だろう。そして夕飯を作りたくなくなるのもそのへん。ということで残り物片付けディが発生してくるのだが、そう言うと「片付け」という単語のネガティブイメージによって反感を買うので、すさまじい”陽”のパワーで解決する。

ふりかけである。

人は皆ふりかけが好きだ。隙あらばふりかけでご飯を食べようとする。おかずを食べようとせずに…米ばかりを……。そこで、すべてのふりかけとすべての食べ物が食卓に出る日、すなわち「ふりかけディ」とすることによって祝祭感を出した。みんなハッピー、今年考えたベスト・ライフハックである。

ダンボールストッカーはあった方がいい

今までは段ボールはデカい段ボールの箱の中にほかの段ボールを詰め込んでたんだけど、タイミングよくデカい箱が無いこともあるし、微妙に雪崩れている段ボールを見るのも嫌だなとなってニトリで買った。こういう「無くてもなんとかなるが、あれば家がシャキっとする五千円以内のアイテム」を今までおしゃれの粋に入れていたけど、そんなことはないのだった。これは多分、なんていうか、品性というか来客用スリッパとかと同じ部類だと思う。家の中がシャキっとしているのは想像以上に気持ちいい。

ちょんちょんの面積が大きいクシは気持ちいい

ちょんちょんというのは櫛の毛の部分(毛ではない櫛もあるため、ちょんちょんと呼んでおく)だが、その面積が大きい、これぞブラッシングじゃ!みたいな櫛を買った。ブラッシングされているみたいで気持ちいい。犬になりたいな~が感じられる。

アームカバーはUVカットが…できる!

アームカバーのこと玄奘三蔵様(最遊記)(CV関 俊彦)が着けてるエロい布くらいの認識しかなかったんだけど、これはこれはUVがカットできますなぁ~。

そうでしょうね、UVカット用のアイテムなのでね…。