2020-01-01から1年間の記事一覧

2020年秋のこと(小説編)

よく考えたら月記録を3ヶ月くらいしかやっていない。 読んだものを書いておく。量が多くなったので小説とノンフィクションを分ける。(これをするとノンフィクションをやらなくなる)(そういう未来が見える) あとゲームのことも…いずれ。 最近はSFに偏っていた…

効果的な降下中のエレベータ、現れない幽霊、そして盃に注がれた情報

降下中のエレベータの中でしか出来ないような話がある。 プロポーズは夜景の見える素敵なレストランで、という王道のイメージ。その話をするのに相応しい状況だとか空間ってものがあるような気がしている。 雰囲気に呑まれるというより、雰囲気に呑ませてい…

乙女ゲームの甘い沼でヌルンルルしていた

乙女ゲームをやってた。 なーんにもしたくなーい!ずっとこの甘い沼でヌルンルルしってたーい!といことで10月の月記録は消滅した。仕方ないね。今日は乙女ゲームの話をします。 とはいえ初めて乙女ゲームをやって、突然その花園に酔わされたわけではない。 …

2020年9月のこと

街の夕方からツナマヨの匂いが消えた。 夏が去る。近くの巨大な西友が潰れ、新しいスギ薬局は出来続けて、どこそこにイオンモールが出来たという話が耳に寄せられる。秋が来た。寂寞に惑わされることもなく、私たちは本州を逸れ続ける台風の行方を見守ってい…

世界の終わり

夢で世界の終わりを見てきました。 空が明るい桃紫色の雲に覆われ雷光がそこかしこで煌めく中で、地表はプロミネンスのようなマグマが踊り出して全てが覆われて、終わります。どこか遠い宇宙で冗談みたいなフォルムの宇宙人達がそれをモニタで見ていて、やが…

2020年8月のこと

八月は忘却の季節だ。 鮮明な空の青さと絡みつく熱気は未だ鮮明に残る。 膨大な時間である一方で均一化された日常はとっくの昔に時系列を失い、40日ばかりの空隙はどこにもいけないまま空の青さと熱気を携えて今もそこに残っている。 もう会わない誰かを思い…

ホラーに求めるもの、求めないもの

ホラーによって人が理不尽な不幸に遭うのが好きではない。 それは感じている恐怖の根源が「自分の穏やかな日常が理不尽に崩される」ことだからだ。何の因果もない人間が場に残った怨念によって殺される様は、無差別殺人や快楽殺人によって突如奪われる命を見…

2020年7月のこと

「愚将は橋を落とし、賢将は川に落とす」という故事成語がある。(ない)橋を渡り敵軍から逃げる時に、愚かな将軍は橋を落とすことだけを考えるが、賢い将軍は敵軍を川に落とす方法を考える、という意味だ。(ない)つまり、目的と手段のどちらかに視点を置…

物語における美しい少女という呪縛

「いやよ、私も一緒に行くわ!」と熱く叫ぶ少女にクールな少年が呆れる。 「嫌って言われたって一緒に行くわよ!」 あ、またこのパターンの女の子か、と少しうんざりしている。 私が、だ。 ミステリやSFではこの「思いつきで回りを顧みず、すぐ行動する無鉄…

ワールドトリガーが実質e-Sports漫画だという話

あまりにも面白くて最新刊(22巻)まで一気読みしてしまった。 これね、実質e-Sports漫画なんですよ。 ワールドトリガー 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:葦原大介 発売日: 2013/10/04 メディア: Kindle版 「トリオン」という魔法のようなエネルギーがあ…

MBTIについての感想

16タイプの性格分類、というのをやった。 占いだとか性格診断は友達と盛り上がるための話題の一つでしかないと思っていたのだが、これは「もうちょっと正確に人間を分析カテゴライズしようとしたものらしい」と知った。 16タイプの性格分類まとめ Wiki* 自分…

2020年6月のこと

このスタイルの月記も一年振りだ。やはりこういう記録はあったほうが良い。自分であとから読み返すのも、きっと誰かが読むのもね。私はこういう誰かの、ぼんやりした対象への文章を読むのが好きだ。読み手への何らかの感情が向いているわけでもない、内々で…

みんなにとっての誰のものでもない場所

読書会を主催している。 いつの間にか「忙しい」と思うようになった。暇があれば誰かに声をかけて街へ飲みに行くことも、夜中にオンラインゲームで友達と何時間も遊ぶこともしなくなった。それでも何となく、仕事だとか家庭だとかのような必要から成る小集団…

アホみたいに暑い夏に向けたアイスクリームコントロール法

穏やかな春を蹴散らし、初夏がそこまで忍び寄ってきている。 夏と冬のどちらが好きかと聞かれれば、圧倒的に冬で(そりゃあもちろん秋と春の方がずっと魅力的だが)夏なんて暑くて虫が多いだけのビチャビチャした季節だと思っている。 しかしそんな好き嫌いに…

かわいいがその体の肉と骨を越えて魂に辿り着く時、そこには加速がある

ディズニーのミュージカル映画『ディセンダント』が面白かった。 おとぎばなしの結末のその先、悪役(ヴィランズ)たちにも十代の子供がいたら...?という設定で展開していくストーリー。音楽もダンスも話も面白かった。映画の評価は終わり!詳しいあらすじ…

我々は常に数千億円を所持した状態での南の島の生活を夢見ている

言葉人形というものをご存知だろうか。 言葉人形とは、かつて野良仕事に駆り出される少年少女たちに、その務めの辛さから逃れるために用意されたそれぞれのイマジナリーフレンドのことだ。彼ら・彼女らは日中の辛く重い野良仕事の最中に、大切な架空の友人と…

ID:invadedめちゃくちゃ面白かったし、やっぱり俺たちは舞城が好きだよ

id:Invaded終わっちゃった......。 毎回最高に面白くて、これはどうなっていくんだろう?と毎週楽しみにアニメ見てた。最後にいろいろ書いておこう。 最終話振り返り 神様コンプレックス、なやつですか? 衝動だけで行動は決まらない 生きたい奴は生きる こ…

ID invaded 12話までのムニャムニャ、考察メモ

twitterに書いたやつのまとめ。ゆっくり書いてる時間が取れないのでだだだだだっとメモで。 ▪️黄泉還り 結局、ミヅハノメの産み主である木記はイザナミで、井戸は異土で黄泉への入り口で、黄泉巡りの話になるわけだ。だからこそ「いや、生命の煌めきをぶつけ…

ID invaded 11話までのムニャムニャ

またまたid:invadedの話をするよ。見てる前提でいくよ。 前回、10話の考察を書いたけど、鳴瓢のイドに関する考察は外れてました。 kiloannum-garden.hatenablog.com 鳴瓢、この考察が外れる...自殺するような人間じゃなくて良かった。良かったというか、出来…

ID invaded10話のイドの考察メモ

鳴瓢がイドで優れた名探偵であるということは、彼はイドに入る前から連続殺人鬼だったということだ。つまり、最低でももう1人は殺しているということになる。 10話で砂漠のイドが実は鳴瓢のイドの成れの果てであることが分かった。 つまり百喜さんの家の「死…

舞城王太郎読んでないからそういうこと分かんないんだよ!読めよ!

中学校で体育の時間に村木くんが腕を折る。みんな慌ててるんだけど、村木くんは全然平気そうで、なんでか数時間後には腕が治ってる。ギャハハ!治っちゃった。そのうち遠くの方で交通事故が起きるけど、やっぱりバキバキのズタズタになってた筈の石井さんは…

私たちはくらやみのなかで象を撫でているが象はそれを知らない

物語の本質の隣にある、最後まで対象を明確に限定する言葉が見当たらず答えが永遠に出ないマクガフィンが好きだ。 信頼できない語り手って(語りが)信頼出来ない語り手のことだったのか。ずっと(存在が)信頼出来ない語り手のことだと思ってた。人間なのか、妖…

鉄分の多い思考

メモ帳があまり要らない。 勉強科目としての暗記が得意という訳では無いのだけれども、日常生活の中での「これは記憶しておこう」というリマインダーを脳内でピッと付箋紙を貼るみたいに覚えておくことが出来る。例えば「食パンが無いから夕方にスーパー行っ…

概念消滅を目論むMicrosft IMEと最大カワイイの汎化

私のコンピュータが「きく」という動詞の存在をこの世から消滅させようとしてきている。ある日突然、PCの変換が「きく」という動詞だけ上手く変換することが出来なくなったのだ。以前は気にしたことは無かったので、出来ていた、と思う。「聞く」も駄目だし…