ID invaded 11話までのムニャムニャ

またまたid:invadedの話をするよ。見てる前提でいくよ。

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前回、10話の考察を書いたけど、鳴瓢のイドに関する考察は外れてました。

kiloannum-garden.hatenablog.com

鳴瓢、この考察が外れる...自殺するような人間じゃなくて良かった。良かったというか、出来ない精神の持ち主なんだなという苛烈さが、このキャラクターに対して凄く腑に落ちた。考察はただの謎解きになって、そこに存在する人間性とか関係性を無視してしまいがちだ。でもそこに存在するのは架空の世界であって、我々から見たら物語だけど、そこにある謎は人間の関係性によって生まれているものなのだということを忘れてはならない。特に舞城王太郎の場合は。

 

でもカエルちゃんの死に方に関する考察は良い線いってるんじゃないかなーと思うんだけどなー。どうかな。

あと、カエルちゃんの死。殺人鬼ではない(自分の手で他人を殺していない)本堂町と伊波七星のイドではカエルちゃんはカエルちゃん自身の手によって死んでいる。自殺している。しかし、雷鳴轟く鳴瓢のイドでカエルちゃんは落雷によって死んでいた。砂漠のイドでも砂漠による乾燥で死んでいた。殺人鬼のイドでは殺人鬼がカエルちゃんを殺し、人殺しでない者のイドではカエルちゃんは自殺し、そして鳴瓢の世界では「世界環境が」カエルちゃんを殺している。ここに来てカエルちゃんの死に方に新たな方法が加わったということだ。それはつまり、鳴瓢自身は殺人鬼でもなく本堂町/伊波ではない役割…というかロールを担っているということだと思う。そのまま読めば、カエルちゃんに直接手を下したわけでもなく無関係でもなく、「死に追い込んだ?」或いは「死に導いた?」存在だろうか。環境が殺す、というのは天災で死ぬ…即ち「神に命を奪われる」というニュートラルな死だ。カエルちゃんにとっては救いの意味合いの方が強いので、後者の解釈の方が正しい気もする。やはりカエルちゃんを救うのは鳴瓢なんだろうか。そうであって欲しいな、(そういう舞城王太郎が、好きだな…)

 

 さて、とうとうジョニー・ウォーカーの正体も分かった。

「え?やっぱり?」みたいな立ち位置のキャラクターだったけど、結局ミステリィというのはメタ的には「直観で怪しい人間を当てて、そいつが本当にあってるかどうか答え合わせをしていく」みたいなところがあるので、物語としては王道だと思う。その過程で「もしかして...??」とミスリードをちきんと張っているんだから、このid:invadedというアニメ、プロット的にはお手本のような話の作りだよなあと感心する。国府くんの目が若干死んでる感じがしているのもミスリードじゃないですか?あの心に闇を抱えていそうな雰囲気とその実直さ、怪しくない?

 飛鳥井木記の居場所についても予想通りだった。考察に書いておけば良かった、フフフンという顔をしたかったね。でも多くの人が予想してたんじゃないかな、あのシステムがおそらく木記の人柱で動いていそうだってのは...。

 

 あと、穴井戸(富久田)の穴の謎も解かれたね。「好きな数字は...3か?」の回想シーンで流れたのは、彼が指差しにしろ頭を叩くにしろ必ず「3回」行っていたという点で、私は2回見てやっと気付いた。最初はボタンとか指輪のことかと思ってたけど(勿論それもあるけど)

 

 

ンヌヌ.....

 

 

さて、今後の展開が気になるれども、それとは別に謎を整理しておこう。

・連続殺人鬼メイカーという目的は何なのか。

・名探偵の名前の命名ルール、および聖井戸のみ名前がある理由

・飛鳥井のテレパシーっぽい能力の価値

・invaded

 

木記の夢に連続殺人鬼(候補)を入れておいて、ミズハノメで捜査させて被害者7人でその殺人鬼を使い捨てるというマッチポンプのような作業。舞城作品では、「正論では避けようのない理不尽な悪」というものが実体を持って描かれる。『ディスコ探偵』や『淵の王』では特に顕著に描かれている。今回、その「悪意」を(てっとり早く)強く視聴者に植え付ける役割を鳴瓢椋が担っている。(通常の舞城作品では物語の2/3くらいの分量の文字数で私たちの心にビリビリ響かせてくる)話をもとに戻そう。このマッチポンプ作業の意味だ。これは単純な「必要悪」の話なのかどうかってことなのだ。個人的にはそういう単純な結論ではないと思う。とは言え、じゃあ何なのかっていうのは...うーん...

 

名探偵の名前については、「穴」「聖」はなんとなく分かるんだけど「酒」というのがよくわからない。それぞれの人間の核が文字になるのかなと思ったんだけど、どちらかというと、井戸に入ることによって失うものなのが名前になっているのかもしれない。富久田の穴、本堂町の聖人性(『Thunfrtbolted』で「助けを求めている人たちがいる」という鳴瓢綾子の言に「でも私の仕事じゃないので」と答え、その発言に井戸端スタッフが「ドライだな」と評している)とか。でも鳴瓢と酒というイメージが繋がらない。なんだろ、何なのかっていうのは...うーん...(2回目)

 

あと、木記の「自分の考えたことが他人に漏れてしまう」という設定の必要性がわからない。おそらくそれは看護師の集団昏倒が何らかの「力を利用する(された)」ということの結果だろうし、そこがジョン・ウォーカーの目的にも大きく影響するんだろうけど、なんだろ、何なのかっていうのは...うーん...(3回目)

 

各話タイトルと同じく、このアニメの主題も「invaded」なので、最後はinvadedなイドで終わるのだと思う。『id:invaded』の:は(英語文法的に)そういう意味で使われている。侵略されたイドだ。誰に?ジョン・ウォーカーか?誰の?飛鳥井木記か?すでに何度も自殺未遂をしている彼女からイドは作れるだろうか。そこできちんと(きちんと?)カエルちゃんは死んでいるのだろうか?

 

時間なくて謎を書き出して終わりになっちゃった。12話、楽しみね。