ID invaded10話のイドの考察メモ

鳴瓢がイドで優れた名探偵であるということは、彼はイドに入る前から連続殺人鬼だったということだ。つまり、最低でももう1人は殺しているということになる。

10話で砂漠のイドが実は鳴瓢のイドの成れの果てであることが分かった。

つまり百喜さんの家の「死体が埋められていた場所でもなく寝室で」見つかった殺意は鳴瓢のものだということだ。そしてそれは、鳴瓢の自分に対する殺意…自殺の殺意なんじゃないだろうか。鳴瓢が妻の自死を目撃したあとに、百喜さんが彼を気遣って自宅に泊まらせたとかそういう…そういう日の。だから百喜さんは「(鳴瓢に対する、彼をドグマに落とそうとする)罠だ!」と叫んだのではないか。

そして多分彼の、自分への殺意は数年間残り続けるほど強いものだと思う。

 

あと、カエルちゃんの死。殺人鬼ではない(自分の手で他人を殺していない)本堂町と伊波七星のイドではカエルちゃんはカエルちゃん自身の手によって死んでいる。自殺している。しかし、雷鳴轟く鳴瓢のイドでカエルちゃんは落雷によって死んでいた。砂漠のイドでも砂漠による乾燥で死んでいた。殺人鬼のイドでは殺人鬼がカエルちゃんを殺し、人殺しでない者のイドではカエルちゃんは自殺し、そして鳴瓢の世界では「世界環境が」カエルちゃんを殺している。ここに来てカエルちゃんの死に方に新たな方法が加わったということだ。それはつまり、鳴瓢自身は殺人鬼でもなく本堂町/伊波ではない役割…というかロールを担っているということだと思う。そのまま読めば、カエルちゃんに直接手を下したわけでもなく無関係でもなく、「死に追い込んだ?」或いは「死に導いた?」存在だろうか。環境が殺す、というのは天災で死ぬ…即ち「神に命を奪われる」というニュートラルな死だ。カエルちゃんにとっては救いの意味合いの方が強いので、後者の解釈の方が正しい気もする。やはりカエルちゃんを救うのは鳴瓢なんだろうか。そうであって欲しいな、(そういう舞城王太郎が、好きだな…)

 

謎解きを思いついたので書いただけ、今日はこれで終わり。