2024年冬のこと

小説 好き?好き?大好き?/R.D.レイン 湖畔地図製作社/長野まゆみ 不夜島/萩堂顕 ノンフィクション イラク水滸伝/高野秀行 遺伝子が語る免疫学夜話 自己を攻撃する体はなぜ生まれたか?/橋本求 ゲーム スーパーマリオブラザーズ ワンダー ゼルダの伝説…

チームワークの甘い蜜を吸うために狼になる

なんかそんなに真剣-マジ-にならずに、チームワークの粋が味わえて勝利の達成感が得られるゲームで遊びたーい! と思うことが1年に7回くらいある。かつて味わったLOLの甘い蜜(辛酸も舐めまくったが)を忘れられないでいるのだ。 かつて生きるために巨マンモ…

数多の光とともに/不夜島<ナイトランド>

不夜島(ナイトランド) 作者:荻堂顕 祥伝社 Amazon 架空の第二次世界大戦後、敗戦した日本の琉球の最先端の与那国島、そして台湾を舞台にしたサイバーパンクである。義体を規制された戦後日本と電脳技術の黎明期たる世界。技術と社会が混じり合った過渡期…人…

まるでマングローブのようにはさすがに嘘、音に惹かれてズゴット

病院へ行く予定があったので火曜の午後を休みにした。 思ったより早く終わったので、国道沿いのチェーンのカフェに入る。遅めのランチだ。ガレットとコーヒーを頼み、新聞を読んで、駐車に難航しているデカくて白くて四角い車を眺めていた。料理が運ばれてく…

2023年のこと[小説・ノンフィクション編]+2023ベスト

前回こういうの書いたの2023年2月なんだって…ということで10ヶ月分を雑にお届け。そしてもう…2024年にナッチャッタけど…構わずベストも出していくぜ!な回です。 今年は書いていくわよ、ブログを…! 小説 文明交錯/ローラン・ビネ NHKスペシャル アンデスミ…

2023年のこと[マンガ・アニメ・ゲーム編]

2023年に読んだり見たりプレイしたやつの総集編である。総集編っていうか、書いてなかった分をまとめてギュッと出したやつだ。ベストではない。ベストを選べるほど記憶の母数がないのだ、消え去ってしまった…。 マンガ Dr.STONE もののがたり ダンジョン飯 …

2023年に気付いたこと

ガンジーは言った。 明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学びなさい、と。 そのあとに俺は続けて言った。 そして共有できるものはブログに書くべきだ、と。 ウインナーは冷凍できる ふりかけディ ダンボールストッカーはあった方がいい ちょんち…

『ファミレスを享受せよ』ー自由と解放と人間性の砦

※下記では『ファミレスを享受せよ』ゲームのネタバレを含みます。ただしネタバレを甘受して読み進めた場合にはネタバレを含まないかもしれない。 ドリンクバーについて俺が語れることは少ない。 文化祭の打ち上げで行ったセブンティーンだとかいった名前のカ…

そーんなことはないデース!人生は何度でもやり直せるのでした(ズンチャッ♪ズンチャッ♪)

全然ブログを(月記録を)書いていないのは単純に生活の忙しなさに呑まれているだけだ。書こうと思った気持ちだけが残っており、下書きだけで十数件ある。アウトプットの習慣が抜け始めると、言葉の引き出しが錆びつき始めて、言語化はしんどくなる。リハビ…

『NOPE』感想

NOPE/ノープ(字幕版) ダニエル・カルーヤ Amazon あらすじがおどろおどろしい感じだったが、ホラー目的の映画じゃないと聞いて観てみた。 画面の中のアイテムの置かれ方とか、意味深な台詞とか、メタファーっぽいものはあるものの全体像や主題との相互作用…

パンに乗っ取られた抒情と手元にある5年目の傘、そして綺麗な部屋の綺麗なままの本たち

学生の頃よりもずっとずっと四季の移り変わりに鈍くなったなと思う。今はもう、私の四季は大福みたいなホイップあんぱんによって認識されている。 2008年にフジパンから発売された「大福みたいなホイップあんぱん」は白いふかふかのパンの中にホイップクリー…

くるりを聴く春と予定された喪失としての花束、思い出にならない口伝エレベータコマンド

「ばらの花」という歌をきいて、いい歌だなと思い、くるりのベストアルバムを借りて来た。私の春はそうして始まった。春にふさわしい音楽だと思う。運転するときに聞いている。車内の決して音質が良いとは言えないステレオから、街の音とエンジン音にかき消…

2023年2月のこと

チルアウトというエナドリの真逆ドリンクを買ってみたのだが、飲むタイミングが全然わからない。リラックスしたい時、すでに布団に入ってる。そんな二月だった。チルアウトはまだ冷蔵庫の中で佇んでいる。 小説 ババウ/ディーノ・ブッツァーティ いずれすべ…

2023年1月のこと

初夢で黒崎一護になる。彼の体を持ち私の意識を持ったそれは、ヨソモノというだけで流魂街でいじめられ、それを理由に尸魂界を全く救おうとせず(つまり、救おうとしなかったのは私の意思なのだが)ルキアちゃんを泣かせていた。ごめんな、主人公に向いてな…

頑張るのは風と熱に任せておく

最近はお菓子を焼くのにはまっている。 山積みのカップケーキ ぜんぶ食べた 『眠れぬ夜はケーキを焼いて』というエッセイ漫画を読んだのだ。これはタイトルの通り、生活が少し不規則な作者が、真夜中に虚無が寄り添ってきてしまったときに、ぼんやりとお菓子…

群れによる語りと鮮やかな日々『最愛の子ども』

あなたにもあるでしょう? 「俺たちって変だよな」「あたしたちって何やってんだろうね」と悦に浸りながら、自分と”仲間うち”の中でゆるゆると自他の境界線を溶かし、一方で”他の群れ”との境界線を鮮明に引いていたこと。 そして、その薄くて柔らかく心地よ…

『ループ・オブ・ザ・コード』―感想メモ

ループ・オブ・ザ・コード 作者:荻堂顕 新潮社 Amazon ★部分 ・ポスト伊藤計劃、ポストコロナ文学としてはド直球だが、それを御せるだけの手腕がある。台詞回しも展開もCOOL ・とにかく主人公の、人生で煮詰まれてきた感情の描写がうますぎる。 ・取り扱って…

カーステレオから流れる魔笛と死んだ恋

カーステレオから流れる魔笛の『復讐の炎は地獄のように我が心に燃え』を聞いて、ふと思い出す早春があった。 死んだ恋のことだ。 恋は失うでもなく破れるでもなく、死ぬことがある。 私の行っていた高校の特進クラスでは、一年と二年が三月に一泊二日の合同…

2022年ベスト(雑)

今年のベスト5です。これを、2022年12月31日22時50分に慌てて書いています。 ホリャッホリャッ ヨイオトシヲッ 本 チベット幻想奇譚/アンソロジー この夏のこともどうせ忘れる/深沢仁 チョコレートパン/長信太 プロジェクト・ヘイルメアリー 上・下/アンディ・ウィアー …

2022年秋と冬のこと

2022年後半はなんか読みかけて放置している本が多くて、載せられるものが少なかった。あれだあれ、ペルソナ5ロイヤルやってたからだわ。仕方ないね。 小説 むらさきのスカートの女/今村夏子 殺戮にいたる病/我孫子武丸 老人と海/ヘミングウェイ 第五の季…

アンダー・ザ・死

久々に水族館に行った。 大きな水槽で悠々と泳ぐシャチ、ウミガメ、でかい魚などを見て、やはり海は怖いなと思った。もはやイルカとかも怖いなと思った。 海が苦手である。 得体のしれない闇が数千万メートルも下に広がっているという事実、そしてそこに生命…

火事場に白檀

本文 校正による栗饅頭の変移 本文 茫洋とした夕暮れに惑いながら赤信号で車を止めた。西の空が、最近見ない歯磨き粉みたいな色をしていて、右手に持った栗饅頭にわずかに力が入る。虫歯のような気がしているが自律神経の乱れのような気もしている右奥歯の痛…

語り手が異常な小説が読みたい

「信頼できない語り手」という小説ジャンルがある。 信頼できない語り手(しんらいできないかたりて、英語: Unreliable narrator)は、小説や映画などで物語を進める手法の一つ(叙述トリックの一種)で、語り手(ナレーター、語り部)の信頼性を著しく低い…

綾波レイはポカポカするとか言わない

綾波レイが「心がポカポカする」と言った違和感について10年くらい*1考えてたんですけど、最近幼児を観察する機会があって、言葉にできない未知の感情を表象する時に擬音を使うのはむしろおかしいのではないかということに至りました。 説明します。 日常会…

オメガ城の惨劇-感想メモ

感想メモです。 オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case (講談社ノベルス) 作者:森博嗣 講談社 Amazon シリーズ外小説でした ・勝手にGシリーズ最終巻発売だと思っていた ・Gシリーズ最終巻ではなかった。そうだ、冷静に考えればXY…

2022年夏のこと

Twitterや読書会のメモの寄せ集めではある。 小説 レオノーラの卵/日高トモキチ まほり/高田大介 不村家奇譚/彩藤アザミ 蝶と帝国/南木義隆 化物園/恒川光太郎 5A73/詠坂雄二 この夏のこともどうせ忘れる/深沢仁 怪盗フラヌールの巡回/西尾維新 アニ…

vergangenheitsbewaltigung

小説を書きたい、と思っていた時期がある(今もかもしれない) ポエジーなフィクションを書くことそのものは好きで、景色や音楽に感化されて時々散文を書いたこともある。自分の目に映らない景色を文字で映し出して、そうして自分が好きな昔の自分の文章がい…

もしかして、地球が右周りで回っていることと関係あるんかなぁ?

新幹線で東京から名古屋へ向かおうとする夢を見た。 あいにくの雪で東海道線は止まっており、それでもなんとか今日中に名古屋に行きたいので、金沢を経由するルートにしようと思う。灰色の空に夜が忍び寄る。私は反対側のホームに滑り込んできた列車に乗る。…

石橋も石橋で叩いて残った方の石橋を渡る

たたききゅうりを作るときにきゅうりできゅうりを叩けば、何がどうなっても求めていた結果になるのではないか。手元のきゅうりか俎上のきゅうり、どちらかは破壊されているだろうし、今ここにあるのは破壊されるべきものだけだ。どんな道筋を通ろうとも結末…

ファイト・クラブ、或いは私が訪れない愚かな地獄

TwitterのTLにときどきファイト・クラブを読む蟹の画像が流れてくる(なんで?)ので、ようやくパラニュークの『ファイト・クラブ』を読んだ。 ファイト・クラブ規則第一条 ファイト・クラブについて口にしてはならない ファイト・クラブ規則第二条 ファイト・…