世界の終わり

夢で世界の終わりを見てきました。

空が明るい桃紫色の雲に覆われ雷光がそこかしこで煌めく中で、地表はプロミネンスのようなマグマが踊り出して全てが覆われて、終わります。どこか遠い宇宙で冗談みたいなフォルムの宇宙人達がそれをモニタで見ていて、やがて汚い氷山だらけとなった地球の復活をこっそりと助けてくれます。僅かに生き残っていた人類がなんとか文明を復活させようとしますが、無意味で、やはり自力では環境にはほぼ適応できません。宇宙人が絶滅しないよう何とかしてくれますが、結局数億年を経て、新系統で誕生した新人類が似たような文明進化を辿ります。

 

同じような街の同じようなアスファルトの同じような縞々の白黒交差点で、似たような見た目の全く違う思考形態と文化を持った人類達が、やはりスーツや流行りの服を纏い携帯電話のようなもので話しながら通り過ぎていきます。その中で、旧人類は無力な世界の番人にように、僅かな種としての孤独と疎外感を感じて立ち竦んでいます。新たな人類がその違和感に気付くことはなく、世界はまた数千年後に終わる未来を抱えています。

 

破滅の中で、生き残るためのシェルターに入れなかった弱者や自由人達があまりにも美しい世界の終わりに感嘆の声を上げていました。

誰かを救いたかったのに1人で生き残ることになってしまった男は絶望の中でも結局生き続けて、一番最初に宇宙人の存在に気付いて、こっそり彼らと交渉しながら人類を絶滅から守ることになっていました。

黒く汚い高い高い氷山の、定期的に崩落する一角の奥の奥で、旧人類は宇宙人の庇護の下ひっそりと生きていました。今はどうか分かりません。

 

全ては夢です。