古い水色の広がる夏

通りがかった市民会館で地元の夏祭りをやっていた。

夕方の熱に燻された草木の匂いと、夏独特の気だるい空気の中で子どもが走り回っていて、
ちょっとした広場で有志のダンスサークルが一世代前のアニメソングを踊っていて、
足元の芝生が歩くたび裸足をくすぐる。
後ろでは盆踊りの準備がされていて、
やぐらから引かれた提灯が揺れている。
淡い青や橙が混じりあう水彩のような空に、
この世の全ての夏を集めたような
透き通るような寂寥感

きっと今自分はこれから描かれる誰かの完璧な絵日記の中の1ページに存在する
背景の一部で