十二国記『白銀の墟 玄の月』前編(1,2巻)考察メモ

十二国記の新刊読んだ!?

白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)

白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)

 
白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)

白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)

 

 ...という質問を周囲にめちゃくちゃしていた。

あの十二国記の新刊が出たんですよ!私は発売の三ヶ月前から図書館で全部借りて全巻読み直し、万全の状態で臨んでいた。もちろん新刊は本屋で予約し、店舗の開店と同時にカウンターへ走り二日で読み終えた。最高...。

ぜひとも考察を語り合いたい!と思ったのだが、意外にも周囲のあの頃「十二国記サイコー!」と言っていた友人達の8割くらいは「全巻読み直してないから新刊も未だ全然読めて無いけど...」という感じで、自分一人熱が空回りしていた。悲しい。Twitterの友人を捕まえて無理やりDiscordに誘い込み語り合うことで落ち着いた。

 

折角なので、その考察をブログにも残しておこうと思う。

これはですね、今週末に続刊が出るわけでそのときに考察が当たっていたらヘヘヘ....と有頂天になるための布石です。あとみんなにも聞かせてやりたいよ、私の考えた大穴戴国endを。

 

①無気力の病について

作中では呪術の類...とも噂されているが私は呪術ではないと思う。今までのシリーズにおいて、魔法や呪術といった理屈を超えるファンタジー要素がなかっただけに、ここでのいきなりの呪術という「ナンデモアリ」みたいな要素を加えるのはちょっと世界観に合わないのでは、というのが一つの理由。だからあれは病気だと思う。

もう一つは、その原因に鳩が関係しているという描写。じゃあ鳩がどう関係しているのか?...という点だが、私は鳩の糞みたいなものに病原体があるのではないかと思う。(猫でいうトキソプラズマ感染みたいな)そしてその原因は、鴻慈ではないか?鴻慈はその実を乾燥させて炭として使う植物であり、鳩が餌として実を食べる可能性はある。無気力の病が市民には無く、官吏や武人や謀反を企てる者達にのみ現れているのは伝書鳩として鳩を使用するからではないか?そして餌が原因であれば、キャリアの鳩をコントロールできるため、病そのものをコントロールすることも出来るのではないか...というのが私の予想。

 

②2巻の最後で死んだ主上っぽい人

いやーーさすがに主上じゃないんじゃないかと思ってるんだけど。

というか、驍宗を殺してしまうと現在の偽王朝は成り立たないと明言している。ということは、襲った後そのままにしておけば驍宗が回復する/そのまま死亡する可能性があるわけで、だとすれば放置なんてそんな博打のような手はとらないだろうと思う。(つまり驍宗は阿選?によって幽閉されているんじゃないかと予想している)

じゃあ死んだのは誰なんだろう...。自分が主上だと思わされていた影武者かなーとも思ったけど、友人は英章じゃないかと言っていた。確かにパズルのように嵌めるなら英章が最適っぽい。でも英章かなりイイキャラだし、そんな殺しちゃいます...?小野先生...。

 

ついでに驍宗の幽閉説については、友人は「驍宗も無気力の病に取り付かれていて、実はそれを匿っている」という予測を立てていた。聞いたときは阿選の謀反との整合性がないのでは?とも思ったが、色々考えているとその可能性もあるなと思う。

阿選が「実はいい人」という描写がやたらに多いこと、また驍宗との好敵手の関係や現在の抜け殻状態からも「ショックで為すべき方法が分からず虚脱状態」みたいな状況なのかもしれない。結論だけでこう書いてしまうと阿選がだいぶ弱い人間のようになってしまうけれど。

 

③琅燦の立ち居地

「我々...」と謀反側であると明言していたので、驍宗に敵対?する一派であるのは間違いない。ただ、蒿里が阿選と対面したときに「王かどうか確かめるなら斬ってみればいい」というのは少しおかしいと思った。もっと簡単な方法があるはず、そう真に王ならば叩頭してみせればいいだけの話なのだ。それを提案しないということはやはり「泰麒は麒麟の力を失っていて使令が使えない」ということを確信していたんだろう。というか使令はたぶん命令があれば別に斬られるのも無視できるだろうから、そこも含めて彼女はあの瞬間は泰麒を擁護したわけだ。たぶん多くの人が予想しているだろうけど、天の意思を実験してみたいというのが彼女の行動理由だと思う。

 

④戴国end

もう雲を掴むような状況で煙にも霞にも巻かれに巻かれている李斎と我々読者である。

戴国はどうなるのか...だけど、個人的には王座に驍宗が戻るみんなハッピーのTrue Endなんじゃないかと思っている。ただ大穴予想として、個人的には泰麒が戴王になるEndがあるんじゃないかと予想している。(ババーン!)

泰麒が、というか既に麒麟ではなくなった蒿里が人間として戴王に選ばれる。つまり、驍宗は既に死んでいるか、前述の無気力の病で作中で死ぬかのどちらかを辿る。その後、蒿里が王になるのではないか。麒麟としての力をほぼ失っている上に、麒麟らしからぬ政治手腕を見せている。阿選が王になることはない、と各人が言っているし私もそのオチはないと思う。天が判断するに今一番王に相応しいのは誰か?と考えたときに蒿里が一番に思いついた、というのが主たる理由だ。

ンでも、その場合は当然泰果が成るわけで、そうすると蒿里が麒麟じゃないってバレちゃうんだよな。そのバレたあとの国の混乱はすごいだろうし、蒿里の身も危ないわけで、その期間を上手く解決しないとこの説はちょっと弱いんですよね...。ンンン....

でも当たったら嬉しいな。いや十二国記に思いを寄せる身としては当たってほしくないですけど。

 

なんにせよ、今週末が楽しみ。

そのあとに短編集も出るというのでうれしい限りだぜ。

白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)

白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)

 
白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫)

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