魔法少女リリカルなのは一期見てる?見てるよね?

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魔法少女リリカルなのは ポータルサイト

私がこの世で一番好きなアニメである『魔法少女リリカルなのは』が15周年を迎え、公式にYouTubeにて毎日1話ずつ公開される事となった。ありがとうございます。

一期は最近movie1stとしてフルリメイクされていたので、そっちの記憶ばかり残っていたが、見直してみるとキャラクターの感情や決断の過程を本当に丁寧に描いているなと思う。ひょんな事から魔法少女になった小学三年生のなのはさんが、魔法アイテム探しをする最中に同じくそのアイテムを探していた別の魔法少女(フェイトちゃん)に出会い、対立を繰り返しながら彼女との和解を目指す……というのが一期のおおまかなストーリーだ。その中には「魔法アイテムを探す事にする」「対立するフェイトちゃんと和解する」といったストーリーの分岐点となるなのはさんの決断がある。その決断に至るまでの「高町なのは」という少女の性格、その性格に至るまでの人生背景や原初体験がきちんと描かれている。

 

数多の魔法少女モノ、というか「偶然力を得て、戦いの果てに何かを救うモノ」では戦う動機があまりにも道徳的すぎると思う。大事な友達が救えるならアタシ、何だって頑張っちゃう!とすぐにみんな張り切るが、そういう主人公に共感は出来ない。例えば『まどかマギカ』はキャラ達の動機がかなり異質だと思っていて、過去のループとか自己犠牲とか女の子たちが「女の子である今その一瞬」しか見ていない。『神姫絶唱シンフォギア』も同じだ。世界と自分を天秤にかけるという思考そのものが異質なのだが、それは「戦える女の子である」というだけでヒロイズムが簡単に閾値を超える。全ての並行世界でプリキュアは放映され道徳教育の礎になっているのだろう。違いない。でも本来そうじゃなくて、それぞれに環境と過去によって作られた信念があって、そこに依拠して生きているし、まだまだ人生は長いんだよね。そう、まだ女の子じゃなかった頃もあったし、女の子の後も人生は続くのよ。

CCさくら』はそのあたり、きちんと描いていたなと思う。

 

話をなのはに戻そう。

実際、なのはさん魔法少女活動シーンよりも、日常の家族や学校の友人との会話のシーンの方が圧倒的に多い。それはただキャッキャしているだけではなくて、魔法少女活動を続けるにあたって(魔法のことは伏せつつ)親に相談したり、友達との衝突で悩んだり、悩んでいることを家族が受け止めたりと日常の関係性を非常に濃密に描かれている大事なシーンなのだ。そこには「なのはという少女の精神性」が丁寧に描かれている。憎悪も正義も含めて……人の信念というものは突然劇的に発現すものではなく、漆のように何度も重ねられて顕現するものだ。映画の感想で何度も書いたが、このアニメの一貫した主旨は「なのはさんの強さとは何か」なのである。世界の命運もその表現方法の一種に過ぎない。

だからこそ、このなのはシリーズは3期で「成長して社会的組織で働くなのはさん」というのを主人公にした。そうです、女の子の後も人生は続いているんです。

 

全てを見た後に再度見ると、運命の復習というか人の人生というものを強く感じる。こうして、こうやってなのはさんは生きたんだなと思う。生きています、アニメじゃありません。是非みんなにも見て欲しいと思う。まだ見てないなんてこと、ある?毎日1話ずつ無料公開されているので追うのはなかなか大変だろうが、毎日定時に喜びがあると思うとこんなに美しい日々は無い。それでも時間が無い人向けに、movie1stという空戦とデバイス、変身シーンのリメイクが素晴らしい1期のフルリメイク映画があるのでそれを観ると良いだろう。特に空戦中のシザーズ軌道、高威力砲撃のスターライトブレイカーは最高だ。うーんでも映画は流石に無料じゃないんだよね。とりあえずここにリンクを貼っておくね。

TVアニメ「魔法少女リリカルなのは」第1話【期間限定】 - YouTube

 

……と、ここまで1700文字くらい書いたが、自分にはなのはを紹介するからみんな見てネ!という気持ちが一切無い事に気付いた。何故ならそれは徒労だからです。ぶっちゃけ、この『魔法少女リリカルなのは』というアニメは「うっへぇ…リリカル〜?ま、魔法少女…?ハハ…」という手合には言葉を尽くしたところで視聴に漕ぎ着けることは出来ない。知っている。私はこれが最高だと思うし、見た人にしか分からない言葉で至高の領域を語るだけだ。同じ景色を見たい、その言葉の真意を理解してみたいと思う人だけが見て、その後にウンウンそうだね!そういう視点であのシーンを観るかぁ!とブログを読み直してくれれば良いと思う。

 

kiloannum-garden.hatenablog.com

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