これから歩かない道を作ります

「俺、ビジネスホテルに泊まったりするんだよね」と彼は言った。
特に何か...1人でしたいことがあるわけでもなく、ビジネスホテルに泊まるのが好きなわけでもなく、なんとなく市内のビジネスホテルに泊まるのだと言った。
「ポイントカードを作れば結構安く泊まれるんだよ」。
分かるな、と思った。
「わかるよ」

生活という名のルーティンを乱したくなる。
意図的に無駄な行為だとか、無為な時間を予定に入れて、こまめに人生を霍乱させている。
地図にはTrap streetという無断転載をした者を言い逃れできなくするために架空の道や町を記載する手法がある。
他人が作った地図に架空の道も記載してあれば無断転載ということになる。誤謬によって他者と判別できるわけだ。
この誤謬を入れたいのだ。
非効率だとか非合理だとか、そう誤判断に少しばかり自分というものを預けている。

ときどき間違えてみたくなるものなのだ、という感情によって何かを失うまいとしている
多分、人間らしさというものを誤解している。