赤色矮星

赤色矮星の中心部は他の主系列星と比べて低温で、核融合反応は穏やかに進む。赤色矮星は質量が小さいので核融合の燃料となる水素が少ないが、それ以上に水素の消費が穏やかなため、結局のところ寿命は長くなる。具体的な数値は赤色矮星の質量に左右されるが、短くても数百億年、長ければ数兆年に及ぶものもある(なお、太陽の寿命は100億年程度である)。赤色矮星の寿命は宇宙が誕生してから現在までの時間(137億年)より有意に長いため、一生を終えた赤色矮星は現在の宇宙には存在しないことになる。

 新しい生活が始まった。
そういえば未だ20年強しか生きていなかった事を思い出した。
人生は長い、という言葉はあまり美しく使われなくて好きではない。
しかし、一つの大きな区切りに立った時に、一般的に見て、やはり生きてきた時間よりも生きていく時間の方がまだ長いとされる年だったのだなと思った。

 
 自分にとって人生というものはそれほど長いものではなかった。
ただ漠然と20代くらいまでを想像していた。その先は地球が球体だと知らなかった時代にとっての水平線のように、ただ見えないその先はないのだと思っていた。
まぁ、矮小な人間共の認識の有無に関わらずは新大陸は存在し続けるし、未来もそんなものだった。(神のみぞ知るってやつだ)
そして、思いもしなかった方向に進んでいく自分の人生に(良くも悪くも)結局のところ「想像できる未来」なんて無いんだなという事を強く感じた。
想像していた滝のような世界の終りはないし、
想像していなかった新大陸が見えてくることもある。
新大陸発見が喜ばしいことなのかどうかというのもまた、分からないものだったりして。
なるようにしかならねぇなぁ、というのがふっと振り返って苦笑と共に漏れた言葉なのかもしれない。



少しずつ自分との付き合い方が上手くなっていく。