[]秘色の誉



ミリオンダラーベイビーを観た。

「生きる」って何だろうって考えさせられる映画だよ、と何人もの人に言われた。
でも実際観て、生きるって何だろうとは思わなかった。
勿論、何も思わなかったわけでもないし、それどころか1時間すぎたあたりからぐっときて、最後の30分なんて、涙が止まらなかった。目が痛くなるほど泣いた。

でも「生きるとは何か?」では無い気がするんだよなぁ。
自分の人生に後悔を残さないとか、そういう事が答えじゃない気がする。

映画の一部を切り取る感想かもしれないが、脳死について色々と考えてしまった。

私は脳死の場合のみ臓器提供するとして、ドナーカードを持っている。
自分がもう助からないなら、誰かが助かれば良いじゃん、という意味もあるが、それよりも自分が脳死になった場合に、遺された友人や恋人に残酷な希望を与えたくなかった。

まぁ救える人がいるなら、救いたいと思う。日本の現在のドナー状況だとか、臓器移植についての問題点を声高に叫び、何かを主張したいわけではない。私は、別に全ての人が臓器提供をすべきだとは考えていない。ただ、ドナーカードを持つ、というのは臓器提供の意思だけを表明するものではないのではないか、と思う。


「人生は死んでも、終わらない。」
と言ったのはあの赤い人だっけ。

なんだろう、上手く言えないけれど、人ひとりが生きるという意味よりも、人が生きることによって周りに及ぼす影響、という意味の方を考えさせられたような気がした。