前回までのお話
水と床ピュンでわんぱく探索しつつ、デザインの分かりにくさに困惑していた
今回のお話
壺が三種類ある意味、何?
ラストダンジョンは知恵知恵していてすごい楽しい
ラストダンジョンのリンクとの共闘はとても楽しかった。
通れるようにギミックを解いてあげたり、基本火力はお任せしてサポートしたりするプレイは非常に楽しかった。チームゲームにおける非アタッカー職の楽しさに近い。私は自分の手で強敵を倒すことよりも、盤面を整えたりこういうサポートをしている方が達成感があるので、もっとこういうことしていたいなと思った。無力ながら知恵で貢献するというのはまさしく「知恵の」ゼルダであり、ラストに相応しい素晴らしいダンジョンだったと思う。
戦術戦略に特化したタクティクスゲームとも異なり、自身もフィールドに降り立つそのスタイルは漫画『ワールドトリガー』の面白さだよな、とも思った。あれも主人公が無力であるという前提があって、ならばチーム(ゲーム)としてどう自分は強さに貢献できるか?を問い続ける物語である。ワールドトリガーのスパイダーみたいに、もっとリンクを強くしてあげられる何かがあったら楽しかったな。
対人ゲームではなく、こういう知恵で戦いに貢献するスタイルのゲームがもっとあったら良いのになぁ、と新たな面白さに気付けたラストダンジョンだった。
てな感じで、すごい楽しいラストダンジョンだったんだけど、オッと思ってたら終わった。
もう終わっちゃった
えぇ〜〜?ラストダンジョンも今までのダンジョンに比べたら格段に短いし、全体のボリュームが数千円のインディーズゲームくらいじゃない?これがティアキンやペルソナ5なんかと同じ値段か〜という気持ちがある。
でもこのシステムのこの感じでこれ以上ボリュームがあったら、エンディングに向かって面白さが右肩下がりするとは思うので難しいところ。つまるところ、謎解きの謎のバリエーションが少ないのだ。本来はあるはずなんだろうけど、一部の便利すぎるカリモノ(水とか)によって、後半になるにつれ解き方が単調になっていく。雲とか面白いカリモノなのに床ピュンで済む場所の方が多い。多すぎるカリモノの機能を覚えられるはずもなく、機能としての下位互換は忘れ去られていく。
リソースとしてのボリュームはあるんだろうけど、成長や目的もなく延々と手元の部品で遊べるほどクラフトを愛してはいない。
「楽しみ方は自分次第」と「面白さを自分で作る」は違うと思う。
カリモノシステム総評
カリモノと別リソースでわざわざカラクリが存在する意味もない。すごく役立つわけでもなく、苦労して習得した割にボス戦では使いづらいし、もう言ってみれば趣味の範囲なのである。まぁでもカラクリはアイツの趣味で作られたものか……じゃあ趣味、趣味でした。
サブクエストでもっとカリモノ色々出し放題の何かがあるわけでもなく、使い所がわからないカリモノがたくさんあった。ビヨーンみたいな魔物、どこで使うんだ?私の知らない宴会がある?
総じてカリモノシステムは「壺が三種類ある意味、何?」に集約されている。
三種類もあるのにそこに意味もなく、そもそも壺自体の使い道もほとんどない、しかしカリモノ欄は圧迫するという「この要素はどう面白さに繋がってるんだ」デザインが、自由度による面白さを深刻なまでに侵食していると感じた。
その他、ゲーム総評
お米ねんどみたいな造形と発色でチマチマ動いているゼルダちゃんや森はかわいかったし、メインのフィールド音楽はその雰囲気に会っていてとても良かった。探索の楽しさと不安を含みつつ、牧歌的に纏められていてゼルダが冒険している感じが深く味わえた。
あと、がっつり毎日やりこむゲームではなく、謎解き欲みたいなのを溜めてから久しぶりにプレイする方がストレスなく楽しめる。
それなりに楽しめたが、人に勧めるほどのゲームじゃないなぁというのが『ゼルダの伝説 知恵のカリモノ』の感想だ。