空よりも風を見ている

聞き慣れた音楽が虚ろな感傷を呼び寄せる

まやかしの叙情に絆されて

気付けば歩き出していた

行く当てなどなく

思い出の浅い街を彷徨うばかり

もうこれほど大人になったというのに

僕はまだ、春だというだけで何かを失い続けている