その夏の思い出が、僕達の永遠になる


みました。

5人の主人公達がそれぞれ誰かに恋してて、みんな全力で、悩んだりぶつかったりしてて、毎日生きてるんだああああっていう感じのアニメ。
終わりのある中で。
それなのに、キャラクタの誰も一言も「夏休み終わっちゃうね」とか、あと何日だねっていうカウントダウンの寂しさを言わなくて、そういう強さが凄くいいなあと思ったのでした。

それで思ったのは、
ああこういう青春を送りたかったなあという感傷にあるのは、きっと「こんなラブコメみたいな学園生活が欲しかった」という悔しさみたいなものじゃなくて、きっとこれくらい全力で何かにぶつかっていく季節が欲しかった、みたいな感覚じゃないかと思う。

忘れられない季節を越える物語の最後には大抵、主人公達は走っている。
何かに追いつくためだったり逃げるためだったり、多くの物語で、主人公達は走っている。
東のエデンだとか、時をかける少女だとか、
みんなみんな最後は全力で走ってて、そうやって走り抜けた先で越えてきたあの季節は絶対忘れられないって思ってて、なんかきっとそういうのが悔しいのだ。

そうやって何かに全力になれるというか、ばかー!って大声で言って泣いちゃうような(夏の青空みたいな)真っ直ぐさだとかが自分にあったかなあと思ってしまう。
だって(斜に構えてみたい気持ちとか世累に囚われて)現実はそうそう100%で生きていられなかったりするわけで、思い返せばたった一度しかない人生だ夏だって思って何かにぶつかっていったことってなかなか無い。

大人になって、いいなあと思う取り返しのつかない青春の切なさはこういう疾走感への憧れなのかもしれないなと思うのでした。