薄明前夜

瞼の奥に光る夢が
さよならのように積もっていく

口ずさむ歌の
思い出せないフレーズを
夜に溶かしたまま 歩き続ける

どうにかして流れゆく時間を
止めようとしていた頃もあって
曖昧な未来に安心していた僕もいた

今、遠く音楽が鳴り止まない

涙の奥に響く雪が
思い出のように積もっていく